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ドンキの新業態「ドミセ」、なぜ渋谷から異例の早さで撤退?Z世代向け「キラキラドンキ」との明暗

日刊SPA! / 2024年5月3日 8時52分

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閉店当日4月7日のドミセ渋谷道玄坂通ドードー店(写真:淡川雄太)

 東京・渋谷で2023年8月に華々しく開業したドン・キホーテ道玄坂通の「ドミセ」が2024年4月5日に突如「4月7日24時」をもって閉店する方針を発表。閉店からわずか半日ほどで「キラキラドンキ」として「4月23日10時」に新装オープンする方針とした。
 ドンキが「おドろきの結末」と称したドミセの閉店とキラキラドンキの開店の裏側には、異例と当然が入り混じっていた。今回はドミセがなぜ、渋谷という地で誕生し1年未満という早さで終焉を迎えたのか、同社のプロモーション戦略や国内外新業態の現状を交えて背景を明らかにしていきたい。

◆異例の店舗が1年未満で閉店、おドろきの結末?

「ドミセ 渋谷道玄坂通ドードー店」は、ドンキの親会社であるパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)が、2017年5月に閉店した旧ドンキ渋谷店跡地一帯を再開発するかたちで2023年8月に開業した高級商業施設「道玄坂通」の核店舗として開店したものであった。

 ドミセではコンセプトに「おドろき専門店」を掲げ、ドンキの自社PB商品「情熱価格」を中心に、担当者の反省文・言い訳を掲示するアウトレットコーナー「ドすべり」やランキング形式で商品を月替りで発信するコーナー「ドップ10」、量り売りコーナー「ド試し」などユニークなフロアを展開。

 看板商品「焼き芋」を同社史上最大となる8種類取揃えるなど、ドンキと情熱価格のブランドショールームとしての役割を担っていた。

◆差別化が困難だった?

 ドミセは開店からわずか3か月後となる2023年11月にリニューアルを実施。渋谷という立地特性を活かした深夜営業の開始や訪日外国人観光客によるインバウンド需要の回復を受けた土産・旅行関連商材の取扱い拡大を打ち出すなど、時流を意識した方針転換を図った。一方、ドンキが“進化型旗艦店”と位置づける「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」がドミセの至近距離、道を挟んで対面に営業するなど自社競合が生じていた。

 ドンキ自身も報道発表において「渋谷本店でもPB商品は販売しており、かつ、多くのメーカー品も取り揃えている」「渋谷という街でお買い物をされるお客様の足が渋谷本店で留まる状況」といった課題を挙げており、インバウンド需要に特化した業態としても、情熱価格に特化した業態としても差別化が困難だったことが明らかとなっている。

◆来店客から「やっぱり…」との声も

 道玄坂通はドンキの親会社が手掛けるものの、 IHGホテル&リゾーツ運営受託によるライフスタイルブティックホテル「ホテルインディゴ東京渋谷」を始め、米国シアトル創業・日本初上陸のハンバーガーショップ「Lil Woody’s」やイタリア王室御用達ジェラートショップ「Giolitti」、東京恵比寿創業のスペシャリティコーヒーショップ「猿田彦珈琲」といった国内外の著名ブランドが中心であり、ドンキ系企業も旧ユニー系弁当惣菜大手のカネ美食品によるデパ地下向け洋風惣菜新業態「eashion fun SHIBUYA」や稲荷寿司新業態「こしらへ」が入居するなど、ドンキが従来訴求してきた“驚安”とは一線を画す空間であった。

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