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いなば食品、大炎上も「ほぼ沈黙」の戦略的な是非 「沈黙は金」黙って耐える…のはもう通用しない

東洋経済オンライン / 2024年5月3日 20時30分

コンプライアンスを問う報道が続く「いなば食品」。しかし、ほとんど公式声明は出ず…。ただ、今はもう「沈黙は金」が通用する時代ではないかもしれません(写真:yu_photo/PIXTA)

食品メーカー「いなば食品」をめぐり、企業のコンプライアンス意識が問われるような不祥事が、相次いで報じられている。それに波及して、SNS上ではタレコミも拡散されつつあるが、同社からはほとんど公式声明が出されていない状況が続いている。

【画像】ボロ家と報じられたいなば食品の「一般職」向け新人社員寮、書き換えられたリリース…などの様子を見る(7枚)

まもなく『週刊文春』の初報から1カ月となるなか、いなば食品は沈黙を続ける。よく「沈黙は金」といった言い回しが用いられるが、ネットの「炎上」対策では、沈黙が一定の効果を示すことはある。

しかし今回も、それが当てはまるのだろうか。ネットメディア編集者である筆者の視点を交えつつ、「いなばの沈黙は金」なのかを考えてみよう。

ボロ家報道後、炎上が続く「いなば食品」

いなば食品が話題になり始めたのは、2024年4月10日ごろから。『週刊文春』が新卒採用者の多くが入社を辞退し、その背景には、入社直前の給与変更や、記事では「ボロ家」と表現されたシェアハウスでの共同生活などがあると報じたのがきっかけだった。

文春記事では、社長夫人である現会長について、「女帝と恐れられている」との会社関係者談も掲載されている。

【画像】ボロ家と報じられたいなば食品の「一般職」向け新人社員寮、書き換えられたリリース…などの様子を見る(7枚)

これらを受けて、いなば食品は4月12日に「一部報道について」「由比のシェアハウス報道について」と、2本のプレスリリースを公開。後者は当初、「由比のボロ家報道について」と題していたことから、緊急時の広報対応として適切なのかとの指摘もなされていた。

その後、さらなる「文春砲」で食品衛生法違反がスクープされ、報道翌日の4月18日に「『鶏肉のボイル工程設備の移設許可申請の遅れ』(食品衛生法第55条の事前申請『許可変更』の取得漏れ)」のタイトルで謝罪文を掲載。しかし5月3日時点で、一連の報道や疑惑をめぐる、同社からの公式発表は、この3本のみだ。

まもなく初報から1カ月が経過するが、その間も文春の手はゆるんでいない。先の食品衛生法の件のみならず、元内定者のインタビューを掲載したり、会長・社長夫婦の自宅ペットの「猫ネグレクト」疑惑を伝えたり……。

文春が与えた「いなばショック」は、SNSへも波及した。いわゆる「暴露系インフルエンサー」と呼ばれる著名SNSユーザーのもとには、関係者と思われる人物からのタレコミが殺到。後に文春からも報じられる「猫ネグレクト」なども、こうしたアカウントから拡散された。

4月18日以降は、報道には無反応を貫く?

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