子どもが小学校に入学しました。この6年間でどのくらい教育費を貯めておいたらいいでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月25日 9時40分
子どもの小学校入学を機に、将来の教育資金の貯蓄について具体的に考え始める家庭も多いでしょう。小学校6年間でどのくらいの資金を貯めればよいのかは、将来の進学パターンによって大きく変わります。 本記事では、小学校6年間の教育費や中学校・高校・大学でそれぞれ公立に進学した場合、私立に進学した場合の平均費用を紹介するとともに、教育費を貯蓄するときの計画の立て方や金額の目安を解説します。
小学校6年間にかかる教育費の目安は?
まずは、小学校6年間でかかる教育費の目安を知って、現在の家計から将来の教育資金の貯蓄にどのくらい充てられそうかを試算してみましょう。文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」の結果によると、小学校6年間の子ども1人当たりの学習費総額(学校教育費・学校外活動費の合計)は、図表1のとおりです。
【図表1】
公立小学校 | 私立小学校 | |
---|---|---|
1年生 | 37万9539円 | 213万6449円 |
2年生 | 28万3211円 | 140万2725円 |
3年生 | 31万5794円 | 151万9595円 |
4年生 | 32万9198円 | 159万2088円 |
5年生 | 38万774円 | 168万3972円 |
6年生 | 42万3506円 | 166万4831円 |
文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」より筆者作成
公立小学校の場合は年間30~40万円前後、私立小学校の場合は入学する年に200万円以上、その後は毎年150~160万円前後が教育費支出の目安です。現在の家計と照らし合わせて、6年間で最大いくらくらいを将来の教育資金としてプールできそうか、おおよそを計算してみましょう。
「ずっと公立」ならこの先最もお金がかかる大学進学を視野に貯蓄計画を
一貫して公立学校に進学する場合、小学校を卒業して中学校~大学まで進学するなかで、最も費用がかかるのは大学4年間です。
日本政策金融公庫が公開している教育費シミュレーションによると、公立中学校3年間ではは平均約160万円、公立高校3年間では平均約150万円の教育費がかかります。1ヶ月にならすと毎月4万円前後の支出です。児童手当や高等学校等就学支援金などの補助も期待できる年代なので、あえて貯蓄をせずに毎月の支出でまかなうこともできるでしょう。
対して、日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」によると、国公立大学の入学費用と4年間でかかる在学費用は、合計480万円あまりにもなります。1ヶ月当たり10万円に増える教育費を貯蓄なしにまかなうのは、負担が大きいと考えられます。
「ずっと公立」の進学ルートの場合は、平均的な国公立大学費用の480万円を目標に、小学校6年間に中高の6年間も加えて貯蓄計画を立てるとよいでしょう。
また、同調査によると、私立大学に進学した場合の入学費用と4年間でかかる在学費用は、文系で平均約690万円、理系では平均約820万円となっています。大学進学までに480万円を貯められれば、私立大学に進学した場合も家計からの支出を大きくおさえられるでしょう。
私立を視野に入れる場合は公立より多くの貯蓄が必要
進学先の希望に私立学校が含まれる場合は、ずっと公立学校に進学するパターンよりも早く、大きな教育費が必要となる可能性があります。
例えば、日本政策金融公庫の教育費シミュレーションによると、私立中学校の教育費は3年間で平均約430万円、私立高校の教育費は3年間で平均約320万円が必要です。私立大学の費用も、国公立大学の4年間でかかる平均費用を200~300万円以上上回ります。
いずれかの段階で私立進学を視野に入れている場合は上記の金額を目安に、毎月の収支で負担できる金額、小学校6年間の貯蓄でまかないたい金額を、私立進学が現実的かどうかも含めて試算してみましょう。
希望する進学パターンに合わせた貯蓄計画を立てよう
小学校を卒業したあと、どの段階でどのくらいの教育費がかかるのかは、進学する学校の種類によって大きく変わります。中・高ともに公立に進学するパターンと比べると、中学校や高校で私立に進学するパターンのほうが、早い段階で必要な金額の貯蓄ができている必要があるでしょう。
中・高は公立に進学する場合は、大学進学の費用を目標に、家計の収支とも相談しながら6年間の貯蓄計画を立てるのがおすすめです。
出典
文部科学省 結果の概要-令和3年度子供の学習費調査
日本政策金融公庫 令和3年度 教育費負担の実態調査結果
日本政策金融公庫 教育資金はいくら必要? かかる目安額をご紹介
金融広報中央委員会 知るぽると 子どもの教育費、どう準備する?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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