チケットの転売は「犯罪」なんですか? 法的拘束力の有無が気になります…。
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月27日 7時50分
2020年から流行していた新型コロナウイルス感染症も、2023年5月より5類感染症に引き下げられました。このように日常も戻りつつあるなか、コンサートやイベントに足を運ぶことも多くなりました。 しかし、人気のチケットは入手困難なため、正規ルートで購入できなかった場合、転売されているチケットの購入を検討することもあるかもしれませんが、罪に問われるかどうか気になる方もいらっしゃるでしょう。そこで、チケット転売における法律やトラブルについて解説します。
そもそもなぜ転売がいけないのか
以前は「ダフ屋」と呼ばれる人たちが、イベントやコンサート会場周辺にてチケットの買い取りを行い、高額でチケット販売していた光景がありました。今では各都道府県による迷惑防止条例により取り締まりが強化され、目にすることが少なくなっています。
しかし、ダフ屋に代わって、昨今ではインターネットの普及から、会場に限らずどこでもチケットの買い取り・販売を行う「転売ヤー」と呼ばれる人たちが増えました。
「ダフ屋」や「転売ヤー」によるチケット販売は、通常のチケット価格を大きく上回る高額での取引となります。しかし、これはイベントの運営側にとっては妨害行為に等しく、さまざまな取り締まりが強化されているのです。
チケット不正転売禁止法で罪に問われる可能性も
チケットの転売はイベント主催者にとってデメリットでしかなく、営業妨害にもつながりかねませんが、法律ではどのように規制されているのでしょうか。具体的には、2019年6月に「チケット不正転売禁止法」が施行され、チケットを不正転売した人に対して刑罰が科されることになりました。
文化庁によると、不正転売とは「興行主の事前の同意を得ず、反復継続の意思をもって、販売価格を超える価格で転売する行為」のことです。
この法律によると、転売行為だけでなく、不正転売する目的でのチケット購入も禁止行為です。この法律に違反した場合、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されてしまいます。
不正転売チケットを購入した場合はどうなるのか
チケットの転売や転売目的によるチケット購入は罪に問われますが、購入者はどうなるのでしょうか。「チケット不正転売禁止法」によれば、チケット購入者側は転売されているチケットを購入しても原則罪に問われることはありません。
しかし、イベントの運営者が「不正購入したチケットでの入場は認めない」としていた場合、入場を断られる可能性があります。運営側が厳しく取り締まるのは、チケット不正転売禁止法によって転売を防止するために、入場者とチケット券面の名義が同一か確認することが努力義務とされているからです。
そのほかにも転売チケットによるトラブルとして、購入したチケットが手元に届かない、延期や中止になった際の返金を受けられないなどが挙げられます。
チケットを売りたい・買いたい場合は?
高額転売目的ではなく、急な用事で行けなくなったチケットを譲りたい場合は、どうしたらよいのでしょうか。またチケットを買い損ねた場合に、譲ってもらうために気をつけることはどのようなことでしょうか。
このようなチケットの売り買いは、イベントの運営側から許可を得られている正規のルートで売り買いしたり、公式サイトによるチケットのキャンセル分の追加販売で購入したりする方法などがあります。SNSや個人サイトを利用したやり取りは避け、適切なルートからの売買ならば、安心してイベントに参加できます。
ルールを守ってイベントを楽しみましょう
最近ではアーティストもSNSを通じて、チケットの不正転売の防止に対して声をあげています。自分が応援しているアーティストや楽しみにしているイベントの運営者が正当な利益を得られなければ、今後そのコンサートやイベントを行えなくなる可能性もあります。
そのようなことがなく、適正な価格で誰もが楽しみ主催者側が正当な利益を得られるよう、転売によるチケットの購入は避けましょう。
出典
文化庁 チケット不正転売禁止法とは
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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