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花田紀凱 天下の暴論プラス 〝1兆匹のセミ〟が大発生! 定年を迎えたらやりたい夢 米国で17年に一度の自然現象も「221年ぶり」との知らせが

zakzak by夕刊フジ / 2024年5月9日 11時0分

『素数ゼミの謎』(文藝春秋刊)(夕刊フジ)

無事、定年を迎えたら、どうしてもやりたい夢が3つあった。

①ウラジオストクから冬のシベリア鉄道に乗って約9300キロ、モスクワまで行く。

②早稲田大学の学生になる。

③アメリカ中西部で、17年ごとに大発生する17年ゼミを見に行く。

昔の基準でいえば、もうとっくに定年のハズだが、編集の仕事が好きで続けているから、どれもまだ実現していない。

②中学時代、角川書店版昭和文学全集で尾崎士郎さんの『人生劇場』を読んですっかりのめり込み、どうしても大学は早稲田に行くと決めていたのだ。

諸般の事情で東京外語大に行ったが、夢を断ち切れない。仕事しながらでも通えるのでないかと20年ほど前、早大の社会人入試を考えた。

政経は募集人員が少ないので文学部を考えたのだが、入試科目が、論文、国語、英語というのであきらめた。

論文、国語は、ま、仕事柄なんとかなるとして、英語は、東京外語の英米科卒とはいえ、もうすっかり錆(さ)びついて自信がなかった。

①はモスクワまで6泊7日で行けるから、正月休みを利用すれば今からでも可能だ。雪のバイカル湖をぜひ見てみたい。

問題は③だ。

このコラムでも毎夏、取り上げているから、ぼくのセミ好きをご存じの読者もいるかもしれないが、なぜか、子供の頃から昆虫のなかでも、セミが大好きなのだ。今も、会社の机の上に昨年拾ったセミを置いていて、驚かれる。

17年ゼミ、と言っても、知らない人が多いだろう。

アメリカ中西部で、17年に一度、大発生するセミだ。2~3センチほどの小さなセミで(ちなみにミンミンゼミ、アブラゼミなどは5~6センチ)、ニュースで見ただけだが、街中をセミが飛び回り、人間が逃げ回っている。

『素数ゼミの謎』(文藝春秋刊)という本を書いた吉村仁静岡大学工学部名誉教授によると、

<100メートル四方(つまり1万平方メートル)に40万匹、(中略)あなたの部屋が10平方メートルくらいだとして、部屋の中で400匹のセミが鳴いているところを想像してみて下さい>

実は吉村先生の本で知ったのだが、アメリカには13年周期で大発生する13年ゼミというのもいるらしい。

なぜ、17年、13年周期で大発生するかは、吉村先生の本をぜひ。氷河期と関係があるらしいとだけヒントを。

で、話を戻すと、なにしろ17年に一度だから、実は③はあきらめていた。

ところが、先日(4月9日)毎日新聞ニューヨーク支局の八田浩輔記者がこんなニュースを。タイトルは、

「米で221年ぶり セミ大量発生!?」

<米国の中西部から南東部で初夏にかけ、1兆匹を超すセミが大量発生すると専門家が予測している>

そうなのだ。今年、17年ゼミと13年ゼミが大発生するタイミングが、なんと221年ぶりに重なるというのだ。

で、1兆匹のセミが。

<この二つの集団が最後に同時発生したのは13と17の最小公倍数である221年前の1803年。当時の米国は第3代大統領トーマス・ジェファーソン、日本は江戸幕府で第十一代将軍の徳川家斉の時代だった>

うーん、221年ぶりの大発生か。これはぜひとも見に行きたい! 仕事を1週間休めれば、可能なのだが。

まだ、迷っている。 (月刊『Hanada』編集長・花田紀凱)

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