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年金世代・予備軍「シニアの居場所」 「老卒採用」は広がるか 年齢が再就職の高い壁、65歳を過ぎても三国志「五虎大将軍」黄忠のように活躍する人も

zakzak by夕刊フジ / 2024年5月9日 15時30分

伊東祐司さん(夕刊フジ)

『三国志演義』の中で、蜀の「五虎大将軍」として活躍する老将軍黄忠をご存じの人も多いでしょう。彼は得意の弓矢を携えて戦場に臨み、「年寄りは引っ込んでいろ」と言われながらも、数々の武勲を打ち立てました。

現代のビジネス社会でも、年齢だけで実力を判断してほしくないと考える人は多いのではないでしょうか?

しかし実際は、定年退職後も働きたい人たちにとって、年齢が再就職の高い壁になっているようです。

株式会社LIFULL(ライフル)は4月18日、「シニアの就業に関する意識調査」を発表しました。

同調査では、65歳以上で働く人の8割以上が「これまでの経験を生かして働きたい」と回答したようです。しかし、採用担当者の6割以上が「選考時に高齢を不採用の理由として考慮したことがある」と答えています。その数字を見ると「ああ、やはり」と思ってしまいます。

しかし、同調査をよく読むと「65歳以上の人材の採用を積極的に行っている」と回答した採用担当者も21%存在します。さらに、その採用担当者の67・7%が「採用した65歳以上の人材が即戦力だった」と答えています。65歳を過ぎていても、黄忠のように活躍する人がいたということですね。

これらの調査結果からは、自身の経験を生かして働きたい65歳以上の人は多いが、年齢を理由に採用をためらう企業がまだ多い。ところが、実際に採用すると、即戦力になる場合も少なくないということが推測されます。

シニア世代である筆者も、「年齢で判断するのは考え直していただきたい。御社の戦力になる黄忠を見逃しているかもしれませんよ」と言いたくなります。

そして、この調査を行ったLIFULL社自身が、「老卒採用」を開始すると発表しました。代表取締役の伊東祐司さんは次のように話します。

「今回の調査で分かったように、社会には〝老い〟に関する既成概念がまだまだあるということです。弊社は、あらゆる人が年齢や性別、国籍などに関係なく活躍するための取り組みを進めてきました。その取り組みの一環として既成概念にとらわれない人材採用を始めたいと考えました」

募集するポジションは営業部門のアドバイザー、コピーライター、法務などで、勤務地はLIFULL本社(東京・麹町)になるそうです。応募はウェブ(https://media.lifull.com/campaign_20240418/)でエントリーするところから始まります。6月10日まで応募を受け付けるとのことです。

伊東さんは、「シニア層のスキルや経験が生かされないことは大きな損失です。これまでの経験を生かして働きたいという情熱をお持ちの方のエントリーをお待ちしています」と話しています。

同社のような考え方が広がれば、年齢に関係なく門戸を開く企業が増えるかもしれません。シニア再就職を目指す人は、年齢を理由にあきらめず、情報収集を続けてほしいものです。

藤木俊明 副業評論家。自分のペースで働き、適正な報酬と社会とのつながりを得ることで心身の健康を目指す「複業」を推奨。著書に『複業のはじめ方』(同文舘出版)など。

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