専用球場なし、練習は短時間でも“聖地4強” 東大生も輩出する強豪の「文武両道」
Full-Count / 2024年5月10日 7時50分
■2022年選抜ベスト4…國學院久我山は限られた環境を「目一杯使うことを考えて」
春夏通算7度の甲子園出場を誇る國學院久我山(東京)は、限られた練習スペースと練習時間でありながら、2022年選抜ではベスト4入りを果たすなど、都内有数の強豪校として知られる。1991年夏、2年生で甲子園に出場したOBの井口資仁氏(元ロッテ監督)が在籍していた当時からほとんど変わらない環境下で、どのようにして結果を残し続けているのか。尾崎直輝監督に指導方針などを聞いた。
専用球場はない。グラウンドは狭く、サッカー部など、他の運動部と共用で使用する。進学校としての側面も併せ持つため、平日は3時間程度で練習を終え、勉強時間を確保しなければならない。合宿所もなく、自宅から1時間以上かけて通学する部員も多い。ただ、尾崎監督はこの環境をむしろプラスと捉えている。
「どこの環境に行ったとしても、言い訳はいくらでもできます。言い訳をするよりも、この環境を目一杯使うことを考えてほしい。文武両道で勉強も大変ですね、とよく言われるのですが、高校は教育機関なので、勉強するのが本分。かつ、部活動で野球という教科を学ぶようなものだと思っています。野球をする時に勉強を言い訳にしてほしくないし、勉強をしている時に野球を言い訳にしてほしくはないですね」
野球と勉強。両方をおろそかにすることなく、国公立大や難関私大へ進んだOBは数知れない。今春には、2022年選抜でベスト4入りに貢献した左腕の松本慎之介さんが一浪の末、東大の理科二類に合格した。野球部から東大に合格したのは、2017年の土井芳徳さん以来、史上2人目の快挙だという。
「松本は努力の人間です。1年生からずっと主力だったわけではないのですが、しっかりと積み重ねていって、140キロ近いボールも投げるまでになって、甲子園に行った時も、3枚いる投手の中で、彼も頼りになる投手でした。野球も勉強も同じで、その瞬間で答えを出していくじゃないですか。勉強をすることで培われる集中力の持続、創意工夫、応用問題への対応力は、必ず野球に生きてきます」
國學院久我山のグラウンド【写真:伊藤賢汰】
■野球部から史上2人目の東大合格…重要視するのは「考える野球」
重要視するのは「考える野球」。平日の何日かは課題別練習を取り入れ、1人1人にメニューを作らせる。得意なことをやりがちな選手も、やがて自分に足りないものは何かを考え、それを補う練習に切り替わっていく。
「必要なことの選択であってほしいんです。例えばバッティングが得意で、そればかりやっても、守備に不安があったら、フルで試合に出続けることはできません。『試合に出続けるためには何が必要かを考えて練習をしよう』とアプローチしています。彼らは勉強ではその意識があって、この教科が何点足りなかったから、何時間勉強しようというのがスムーズに出ます。それを野球に置き換えれば、もっと細分化できるんじゃないかという話をして、年数を重ねると、やりたいことだけではなく、必要なことをやり始める瞬間が本当に面白いです」
環境に限りはあっても、アイデアは無限に広がっている。そのアイデアを具現化し、野球へと落とし込むことができるからこそ、國學院久我山は結果を出し続けることができる。(内田勝治 / Katsuharu Uchida)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
甲子園4強→“門前払い”で浪人生活 東大合格を掴んだ動機づけ「切り上げるつもりで」
Full-Count / 2024年5月31日 7時5分
-
東大12連敗も“救世主”松本慎 無失点デビュー!選抜4強国学院久我山出身、1浪後入学
スポニチアネックス / 2024年5月26日 5時2分
-
東大医学部6年生が貫いた12年間の文武両道 塾なし現役合格、勉強も部活も「両方やったら人生が豊かに」
THE ANSWER / 2024年5月24日 10時33分
-
早稲田は「文武両道でかっこいい」 憧れの「W」を胸に…高校2冠ルーキー林美希が示す無限の可能性
THE ANSWER / 2024年5月20日 10時33分
-
イチロー氏が承認「すごくいい」 打球方向を“限定”…空間を最大限に生かす打撃練習
Full-Count / 2024年5月13日 7時50分
ランキング
-
1「おかしいだろ!」「聞いたことねえよ!」会場騒然…土壇場PK弾で水戸を下した長崎、クラブ記録更新の16戦無敗
ゲキサカ / 2024年6月2日 17時18分
-
2不倫報道の元日本代表・佐藤寿人氏が謝罪「たくさんの方々にご迷惑をおかけしてしまいました」
スポニチアネックス / 2024年6月2日 19時40分
-
3JRAの小林徹弥元騎手が50歳で死去 千田調教師「急すぎて何も言えません。昨日も仕事を…」
スポーツ報知 / 2024年6月2日 16時12分
-
4“83歳対決”制した!44歳ヤクルト・石川が完封で史上初の新人から23年連続勝利&交流戦最多29勝
スポニチアネックス / 2024年6月2日 15時54分
-
5貴乃花さんが新体制で一般社団法人を再スタート「これからはコンパクトな形で対話を通じて活動したい」
スポニチアネックス / 2024年6月2日 5時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください