1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

逆求人の「OfferBox」はなぜ伸びているのか 人気の秘密は反「数打ちゃ当たる理論」

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月13日 6時30分

写真

就活生の多くが「逆求人」のサイトに登録、理由は?

 就職活動といえば、学生が企業にエントリーして内定を得る流れが一般的だった。しかし、今では多くの学生が企業からのオファーを待つ「逆求人」スタイルのサービスを利用している。就職活動における「マッチングのあり方」を変えた新卒向けダイレクトリクルーティングサービスの中で、多くの学生と企業に支持されているのが、i-plug(大阪市)が運営するOfferBoxだ。

 OfferBoxは、2024年度卒業予定の学生のうち24万6751人、新卒を募集する企業1万7469社が登録する。企業の採用担当者はサイト内で学生のプロフィール情報を閲覧でき、採用したい学生に対して「オファー」を送ることができる。オファーが承認されると、選考やインターンシップの案内に進む仕組みだ。

●「OfferBox」が提供する“逆求人”サービス

 学生は無料で利用でき、企業側も内定承諾をベースとした成功報酬制が基本となっている。1人採用につき38万円(※一部プランを除く)に設定されており、コストとリスクを抑えられる点が評価されている。

 新卒採用市場においては、就職ナビや合同説明会が企業と学生の接点となっていたが、i-plugを創業した代表の中野智哉氏は、従来の手法ではマッチングのあり方に課題があったと語る。

 「就職活動が大変だと話す学生が多かったが、『就職先がない』というより、『行きたい会社を見つけるのが大変』という声が大半だった」

 今でこそ、新卒採用を行う多くの企業で導入されているOfferBoxだが、リリース当初から企業に評価されたわけではない。

 新卒採用市場が、学生から企業にエントリーする一方向の流れのみだったことが背景にある。「当時は、なぜ企業側から学生に声をかける必要があるのかという反応が一番多かった」(中野氏)

 現在でも地方の一部で、同様の意見を聞くこともあるというが、サービスの改善を重ね、利用企業は全国に拡大している。

●景気の反転と就職活動のルール変更がサービス拡大に影響

 事業をスタートした直後、当時の安倍政権下ではアベノミクスが発表されるなど、景気上昇の気配が見られた。さらに、2013年には東京でのオリンピック・パラリンピックの開催が決定。開催に向けて人材不足を懸念する声が高まったこともあり、求人倍率は右肩上がりで上昇した。

 一方で、学生数は変わらないため採用手法の改善を求める声も高まった。売り手市場となり、優秀な学生を囲い込むため就職活動の早期化も進んでいた中で、2016年卒からの就職活動スケジュールが変更される(選考開始を大学4年生の4月から8月に後ろ倒す)ことが発表された。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください