「AQUOS R9」が進化したポイントと“proなし”の理由 シャープが考えるハイエンドスマホの売り方
ITmedia Mobile / 2024年5月9日 16時1分
●日本ならではのよさを発信すべく、デザインを刷新
ボディーのデザインも見直し、見たときの印象が大幅に変わった。AQUOS R8と「AQUOS R8 pro」は背面の上部に大きなカメラレンズがあるが、AQUOS R9では本体上部の左上の台座にカメラ、AQUOS、LEICAのロゴが収められている。この台座は「円でも楕円(だえん)でもない自由曲線」(中江氏)になっており、「カメラもそろいすぎない絶妙な配置」とした。「品位のあるいでたちの中に、なぜか気になる違和感」(同氏)によって、愛着を持ってもらうことを目指した。
カメラとその台座はAQUOS R9の顔ともいえる部分になりそうだが、1986年に劇場で公開されたスタジオジブリ制作アニメの「天空の城ラピュタ」に登場する「ロボット兵」の顔に似ており、この一風変わったデザインがユーザーに受け入れられるのかが気になる。
デザインの監修を担当したのは、三宅一成氏が設立したデザイン事務所「miyake design」だ。AQUOS R9はグローバル(詳細は後述)でも同時に発売することから、「日本ならではのよさをどのように発信していくのか」をmiyake designと追求した。
●最上位の“proなしではない”が、今回発表に至らなかったワケ
今回の発表で異例だったのは、AQUOS R9がキャリア/オープン市場向けモデルであり、グローバルを意識したモデルでもあることだ。「商品開発の段階からかなりグローバルで売ることを意識している」(篠宮氏)というAQUOS R9。発表会の説明は販売国の内容が最初だったように、シャープが「展開」についてもこれまで以上に力を入れていることがうかがえる。
これまではシャープが新商品を発表してからグローバルで展開するまでにタイムラグがあったが、「できるだけ早くグローバル展開していきたい」(小林氏)という考えから、グローバル展開の同時発表に至ったという。
理由について、小林氏は「日本以外で販売したグローバルの販売台数が、前年比に比べて倍増している」ことを挙げる。販売国については、これまでの日本、台湾、インドに加え、シンガポールが決まっているという。篠宮氏は「最初にかなり覚悟を決めてやらなければ設計上難しいところはあるが、グローバルスタンダードで受け入れられる仕様とすることを前提に、当初から目標を決めて製品を企画、設計した」と語る。
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