日・ブラジル・ビジネスフォーラム開催、脱炭素化やスタートアップ支援で協力強化(ブラジル、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月16日 1時5分
ジェトロ、日本経済団体連合会、ブラジル全国工業連盟(CNI)、ブラジル輸出投資振興局(Apex-Brasil)、サンパウロ州工業連盟(FIESP)は5月4日、岸田文雄首相ならびにジェラルド・アルキミン副大統領を来賓に迎え、「日・ブラジル・ビジネスフォーラム」を開催した。両国ビジネス関係者ら200人以上が参加した。
岸田首相は、ブラジルは食料、エネルギー、鉱物資源が豊富で、経済分野における両国の連携には極めて高いポテンシャルがあり、デジタルやグリーン分野を含め、貿易投資関係を一層強化していくとの考え方を示した。その中で、今回のブラジル訪問中のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領との首脳会談で「ISFM(アイスファム)」(注1)の立ち上げについて合意したことに触れ、ブラジルのバイオ燃料・合成燃料などに関する高いポテンシャルと、日本の先端技術などを結び付け、世界のカーボンニュートラルの実現に貢献していくと述べた。また、ブラジルにおける日本のスタートアップ支援も強化していくとも言及した。
アルキミン副大統領は、両国の130年の友好関係に触れ、トヨタの初の海外工場がブラジルだったことや、デング熱ワクチンの開発をしたのが武田薬品工業だったことなど、日系企業のブラジル経済における貢献について言及した。また、脱炭素化、持続可能な産業の発達の達成へ向けてイノベーションと研究開発を促進するブラジルの新産業プログラム(NIB)について説明し、再エネ比率80%以上を誇るブラジルは、日本にとって強力なパートナーになるとも述べた。
このほか、同フォーラムでは、岸田首相とアルキミン副大統領が同席するかたちで、鉱物、農業分野を含む脱炭素化関連技術など、31件のMOU(覚書)の発表が行われた(注2、添付資料参照)。
MOU発表式で企業関係者と写真撮影をする岸田首相とアルキミン副大統領(中央)(ジェトロ撮影)
(注1)Initiative for Sustainable Fuel and Mobilityの略称。ブラジルが高いポテンシャルを有するバイオ燃料・合成燃料などと、ハイブリッドエンジンなどの日本の高性能なモビリティ機器を組み合わせて、カーボンニュートラルの実現を目指す、新たな国際枠組み。
(注2)添付の取り組み事例集に記載がある事例のうち、フォーラムの当日に紹介された件数は31件としている。また、政府機関の間で取り交わされた以外の文書は、各企業・団体の間で作成されたものであり、ジェトロとしてその名称や内容の正しさを保証したり、責任を有したりするものではない。
(中山貴弘)
(ブラジル、日本)
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