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連邦政府、2050年ネットゼロに向け新たに未来ガス戦略発表(オーストラリア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月20日 0時5分

オーストラリア連邦政府のマデレイン・キング資源・豪北部担当相は5月9日、未来ガス戦略を発表した。2050年までのネットゼロ達成に向けてエネルギートランジションを進めることにも、ガスは重要なエネルギーと位置づけた。アルバニージー政権はこれまで、ネットゼロに向けたガスの位置づけについて明確な姿勢を示してこなかったが、同戦略でガスの役割に前向きな姿勢を示すものとなった。

未来ガス戦略では、新たなガス政策を支える原則とその行動計画を示した。原則については、まず、オーストラリアは地球規模での温室効果ガス(GHG)排出削減の支援を約束し、2050年までにネットゼロを達成するとした。その上で供給面では、国内向けには適正な価格を維持することや、海外向け(注1)には、ガスの安定供給元として信頼できる貿易のパートナーとしてあり続けるとした。これら原則に基づいた行動計画の主な概要(抜粋、注2)は次のとおり。

1. ガス供給不足の未然防止
2. ガスから生じるGHGの排出削減
3. 産業や家庭でのエネルギートランジション支援のための、ガス価格水準の適正な管理
4. 開発で周辺先住民の権利に対する配慮や利益配分の追求
5. 国内や周辺地域間の二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)の促進

また、上述の行動計画の項目に基づく連邦政府による今後の具体的取り組みも記載した。その多くは同日付で連邦政府が発表したレポート「未来ガス戦略分析報告書(Future Gas Strategy Analytical Report)」で示したエビデンスに基づいて策定されたが、既存の取り組みを再掲したものもある。

キング資源・豪北部担当相は、ガスは製造業や食品加工、重要鉱物の精製加工にも欠かせないエネルギーのため、アンソニー・アルバニージー首相が4月11日に打ち出した「フューチャー・メード・イン・オーストラリア法」(2024年4月22日記事参照)の方針を実現するためにもガスは重要だと説明した。

(注1)オーストラリア外務・貿易省によると、2023年(暦年)のオーストラリアの輸出(品目別)で、天然ガスは742億2,400万オーストラリア・ドル(約7兆7,193億円、豪ドル、1豪ドル=約104円)で、鉄鉱石、石炭に続いて3番目に多い。輸出全体の13.3%を占め、オーストラリアの主要な輸出品の1つ。

(注2)行動計画は6項目あり、当レポートでは、連邦政府のプレスリリースに記載された5つを抜粋している。行動計画の6項目は、ガス関連政策も含めた戦略のアップデートだ。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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