1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

今田美桜の“さわやかなキツさ”はもっと評価されるべき。新ドラマで見せたアップデート

女子SPA! / 2024年4月23日 8時45分

 変換のクセを指摘する舞は、「ここ、漢字で書く人、今どきなかなかいなんで、昭和っぽいっていつもつっこんでたんですけど」とストレートにバッサリ。「そんなことで」と鼻で笑う根津に対して、舞が食い気味の「はい」。間髪入れずに迫る舞の性格はキツい。単にキツいだけでなく、今田が演じると、さわやかなキツさとなる。

◆機械的な性格と感情が同期する面白さ

 このさわやかなキツさが、花咲舞というキャラクターの行動原理になっている。不正に気づいたら、すぐ行動。おかしいことはおかしい。これは指摘すべきかどうか。なんて考えない。

 考える前から、口をついて正当な言葉を繰り出す。だからキツい。無意識のキツさだ。ある意味、機械的ではあるが、その分、精度はいい。だったらいっそのこと、不正取締役サイボーグにでもしたらどうかとも思うが、そういうことでもない。

 生身の今田が演じることで、トライアンドエラーを繰り返す主人公の心の成長物語でもある。『不適切にもほどがある!』の阿部サダヲのような明らかな人情肌とは違い、きちきち不正を取り締まる機械的な性格と人間としての等身大の感情が、次第に同期する様子が面白いのだ。

◆時代に合わせてリニューアルする“リメイク請負人”

 本作は、杏主演で2014年と2015年に放送された第1・2シリーズのリメイク作。ちょうど10年前と2024年の現在では、びっくりするくらいコンプラ的状況への過敏さは違う。もっと早くからアップデートされてたら、こんな過敏になる必要はなかったのだが。

 杏主演版では、終始、無表情に近いクールな演技によってサイボーグ感がかなり強かった。2024年版では時代に合わせて、機械的な性格は残しつつ、全体としては過敏な時代に対する角がとれている。キャラクター自体が、ゆるやかな変革のアップデートを示しているともいえる。

 石田ひかり主演の1992年版を30年ぶりにリメイクした『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~』(日本テレビ、2022年)も今田主演。

 今田が演じたのは、規格外の存在として社内をばしばし変革する新人社員だ。過去から現在に物語世界をアップデートしながら、作品を時代に合わせてリニューアルする“リメイク請負人”今田美桜の役割は、もっと評価されて然るべきだ。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください