「将来想像できてしまう」新天地で見つけた生きがい 午前2時半起床、積み上げた知の結晶とは
京都新聞 / 2024年5月18日 8時0分
岡田一敏さん(75)は64歳で京都府宇治市へ移住し、地域の歴史や風土などを学ぶうちに考え付いたクイズは400問。「さまざまな場で使ってもらい、宇治の魅力を発信していきたい」と望む。
〈昭和26年 久世郡宇治町、大久保村、小倉村、槙島村、宇治郡東宇治町の2町3村が合併し、人口38231人の宇治市が誕生しました。京都府下第2の人口の宇治市ですが令和5年4月1日現在の人口は?〉。答えは〈18万1600人〉。
クイズが問うのは市の人口だが、140字程度の設問文に歴史情報も織りまぜた。「クイズは、解くだけで宇治のことを広く学べるよう工夫している」と狙いを語る。
広島県呉市生まれ。大学卒業後に旅行会社に就職し、添乗員として国内外を飛び回った。定年後、長年暮らした広島を気に入ってはいたが「将来が想像できてしまう」と感じ、娘家族が住む宇治市への転居を決断した。
それまで宇治市に訪れたことはなかった。「暮らすからには深く知りたい」と本で勉強したり、寺社を巡ったりするうちに街の魅力を実感した。
2019年に市などが市民を対象に開いている「高齢者アカデミー」に入学。京都文教大(同市槙島町)で若い学生とともに地域のことを学び、その成果を3択クイズにすることを思い付いた。192問を卒業研究として提出した後も、クイズ作りにのめり込んだ。
このようにして仕上げた400問は、宇治の歴史や人物、宇治茶、市政などさまざまな内容に及んだ。冊子にまとめた上で、市民らの文学作品を対象にした「紫式部市民文化賞」(宇治市など主催)に応募したところ、昨年の受賞作品に選ばれた。審査員から「斬新で画期的」と評価され、「学んできたことが認められた」と喜んだ。
受賞後もクイズ作りは続けており、来年までに続編の400問を完成させるのが目標という。現在は午前2時半に起床し、朝方まで宇治市史や書籍をひもといて、考えたクイズを小さなカードに書き込むのが日課だ。
市民文化賞の記念品としてもらった市民サークル作製の手まりのことまで調べ上げ、クイズにしてしまった。「宇治の情報を知ると、どんなクイズにできるのか、ついつい考えてしまう。クイズ作りは生きがい」とほほ笑む。宇治市宇治。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
京都の大雨、ピークは28日昼過ぎから 警報エリア拡大、帰宅時間帯に影響
京都新聞 / 2024年5月28日 11時20分
-
京都市、亀岡市、宇治市などに一時大雨警報
京都新聞 / 2024年5月28日 11時4分
-
都知事選出馬で話題の石丸伸二、居眠り議員について“つぶやいた”理由「炎上はあくまで手段」
日刊SPA! / 2024年5月24日 8時51分
-
コンビニで果物ナイフ突き付け現金奪おうと 容疑で74歳男を逮捕 京都府宇治市
京都新聞 / 2024年5月17日 20時14分
-
「金足りない」コンビニ店員を刃物で脅し、男逃走 強盗未遂事件で捜査
京都新聞 / 2024年5月17日 10時14分
ランキング
-
1【速報】今月開始の定額減税「評価しない」が60% 6月JNN世論調査
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年6月2日 22時57分
-
2「検証してもらわないと無駄死に」新型コロナワクチン接種後に夫が難病を発症し死亡 集団訴訟へ参加を目指す妻【大石が聞く】
CBCテレビ / 2024年6月2日 6時2分
-
3奥能登4市町「エコノミークラス症候群」検診で被災者の8・8%に血栓、一般を大幅に上回る
読売新聞 / 2024年6月2日 20時0分
-
4立民、4日採決は「論外」と批判 規正法改正案、自民は早期主張
共同通信 / 2024年6月2日 19時59分
-
5自民・茂木幹事長、ライドシェア全面解禁を提唱「時代遅れの制度壊さなければ」…政府は結論先送り
読売新聞 / 2024年6月2日 18時21分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください