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トランプとのセックスを事細かに話して法廷を凍り付かせた元ポルノ女優の「暴走」

ニューズウィーク日本版 / 2024年5月9日 18時43分

「私はすかさず彼をからかったわ......(プレイメイトたちに囲まれてパジャマパーティーを開いたことで知られるプレイボーイ誌の創刊者ヒュー・)ヘフナーさんのパクリなの、と」

 

ダニエルズが「ちゃんと服を着て」と言うと、トランプは素直に従い、ドレスシャツに着替えて来たという。

彼女はトランプに「お仕置き」もした。自分が話している最中に何度も口をはさむので、罰として雑誌で「お尻を」たたいたというのだ。

トランプに「ハニーバンチ」という愛称で呼ばれていたことも明かした。

トランプとの初めてのセックスについて事細かくしゃべりだすと、たまりかねたトランプの弁護団が異議を申し立てた。

裁判を取り仕切るジュアン・マーチャン判事も、法廷でこの手の話が微に入り細に入り語られることに困惑し、弁護側の異議を認めた。

速記が間に合わない

聞かれていないことまでまくしたてるダニエルズに、マーチャン判事が「それ以上詳細に立ち入る必要はありません」と釘を刺す場面もあった。

■ダニエルズはゆっくり話せと指示された

質問には簡潔に答えるよう、マーチャン判事は何度もダニエルズを諭した。

「質問をよく聞いて、それに答えるように」と、子供に言い聞かせるように言ったりもした。

ダニエルズがペラペラとトランプのパーティーについて語り出したときは、「答えは簡潔に」とたしなめられた。

ダニエルズが早口でまくしたてることも法廷を困惑させ、速記官が供述を記録できるよう、もう少しゆっくり話しなさいと、マーチャン判事とスーザン・ホフィンガー検事が再三言い聞かせた。

■トランプの弁護団は審理無効を主張した

ダニエルズが裁判と直接関係のない性的な事柄を事細かく述べ立てたため、弁護側は審理無効を主張した。

トランプの弁護士であるトッド・ブランチは昼食のための休廷後、午前中のダニエルの証言の多くはこのケースとは「全く関係がない」と述べ、弁護団を代表して審理無効を求めた。ブランチはまた、ダニエルズが話す内容は、2016年に彼女が最初にトランプとの関係を暴露する決意をしてから、ころころ変わってきたとも指摘した。

 

トランプ自身も休廷時間中に自分が立ち上げたSNS「トゥルース・ソーシャル」に、「何の証拠も持たない検察側はとうとう限度を越えた。審理無効だ!」と投稿した。

マーチャン判事もダニエルズの供述に「言わなくてもよいこと」が含まれていたのは認めたが、審理無効の要求は却下した。

ダニエルズに対する弁護側の反対尋問は9日にも行われる。

トランプが「とても、とても不公正な裁判」と呼ぶこの裁判は、11月の大統領選で政権復帰を目指すトランプがいま抱えている4件の刑事訴訟の1つにすぎない。トランプはその全てについて無罪を主張している。

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