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[水俣病被害者・発言遮断問題]伊藤信太郎環境相が新潟水俣病公式確認59年の式典に出席しない意向を表明 新潟の被害者から批判の声

新潟日報 / 2024年5月10日 12時10分

閣議後の会見で水俣病について話す伊藤信太郎環境相=5月10日午前8時半すぎ、国会

 伊藤信太郎環境相は5月10日、新潟水俣病の公式確認から59年となる31日に新潟市で開かれる式典に出席しない意向を明らかにした。熊本県での水俣病被害者の発言遮断が問題となる中、新潟県では2015年、新潟水俣病の被害者と環境相との懇談会を環境省側が打ち切ろうとして紛糾した経緯があり、新潟の被害者は「(思いを聞こうとしない)環境省の姿勢は変わっていない」と批判している。

* [新潟水俣病患者団体が会見、伊藤信太郎環境相に県内被害者との懇談訴え](https://www.niigata-nippo.co.jp/articles/-/403197)

 5月31日の式典には環境政務官の国定勇人衆院議員(比例北陸信越)を派遣する。

 伊藤氏は10日の閣議後会見で、自身が出席しない理由について 「国定政務官は地元の出身で、状況も分かっている。地元の声を丁寧に聞いてもらい、報告を受けたい」と述べた。

 伊藤氏は、5月1日に熊本県で開かれた懇談会で水俣病被害者のマイクが切られ発言が遮られた問題を受け、8日に直接謝罪した。10日の会見では、被害者との懇談の場を増やすなど体制を強化するとした。

 一方、新潟県内では公式確認から50年の式典に合わせ、新潟市で2015年5月31日に開かれた懇談会で、当時の望月義夫環境相と被害者や支援団体などが話し合って以来、環境相の面談目的での訪問はない。

 当時の懇談会で被害者側は、事前に要望書を提出するなど時間不足を見越して臨んだ。だが、望月氏は「認定制度を丁寧に運用する」などと繰り返すのみで、環境省側は予定時刻から5分が過ぎたところで会合を終えようとした。こうした対応に被害者側が「真摯(しんし)に話し合う姿勢がない」などと反発し、紛糾した。

 2015年の懇談会に出席した新潟水俣病被害者の会の小武節子会長(87)は10日、新潟県庁で記者会見し「環境省が被害者と向き合う姿勢は、今も何も変わっていない」と語った。

◆立民・西村智奈美氏「なぜ新潟で話聞かない」、国定勇人環境政務官「反省して臨みたい」

 熊本県での水俣病被害者の発言遮断問題を巡り、新潟市で5月31日に開かれる新潟水俣病の式典にも参加することを求められていた伊藤信太郎環境相が欠席の意向を明らかにしたのを受け、新潟県関係の立憲民主党国会議員は10日、「なぜ新潟で患者の話を聞こうとしないのか」と批判した。

 超党派の「水俣病被害者とともに歩む国会議員連絡会」会長で、立民県連代表の西村智奈美衆院議員(旧新潟1区)は、新潟日報社の取材に「国に声を聞く姿勢が見えないのは残念なことだ。新潟でも被害者と対話する姿勢が大事なのではないか」と憤った。

 一方、環境政務官として式典に出席する予定の自民党の国定勇人衆院議員(比例北陸信越)は「新潟水俣病の被害者・患者の皆さんも今回の事態で傷ついている方がたくさんいると思う。深く反省しながら臨みたい」と話した。

 式典は新潟水俣病の公式確認から59年となる5月31日に、新潟県が開催する。

水俣病被害者側に伊藤信太郎環境相が直接謝罪

熊本・水俣病患者団体の代表者ら、環境大臣と懇談中にマイクの音消される 

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