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「ぽっちゃりしててかわいい」では済まない! 獣医師に聞いた「犬の肥満」を家庭でチェックする方法

オトナンサー / 2024年5月14日 9時10分

ぽっちゃりしているとかわいいけど…

「最近、ちょっと太ってきたかも…」と肥満に注意すべきなのは、人間だけではありません。犬の場合、太っても「ぽっちゃりしててかわいい」と思うことがあるかもしれませんが、人間と同様に、肥満になるとさまざまな健康リスクが見られるようです。愛犬の肥満をどのようにチェックすればよいのか、ますだ動物クリニック(静岡県島田市)院長で獣医師の増田国充さんに聞きました。

■「寿命が2年ほど縮まる」報告も

Q.そもそも、犬の「肥満」には何らかの基準があるのでしょうか。

増田さん「ヒトでは、肥満とは『体重の増加に加えて脂肪組織が過剰に蓄積した状態』と定義されています。また、肥満の指標としてBMIが用いられています。一方、犬ではどうかといいますと、体脂肪率が15~30%以上となる状態が肥満と判断されます。ペット全体のデータとなりますが、飼育動物のおよそ半数が肥満であるという報告もあるほど身近なものであるといえます」

Q.人間と同様に、犬にとってもやはり肥満はよくないのでしょうか。

増田さん「肥満が健康によくない影響を与えることは、ヒトではよく知られていますが、犬も肥満によって発症リスクが上がる病気があります。

体重が増えることによって関節や筋肉、靭帯(じんたい)にかかる負担が増大するため、関節炎や椎間板ヘルニアを生じやすくなります。内臓に生じる影響としては、肝臓に脂肪を蓄積する『肝リピドーシス』や、ホルモンの分泌バランスの変化によって糖尿病の危険性が高まります。また、血液を送る心臓にも負担がかかるほか、肥満によって気管を圧迫することがあります。

このように、肥満は体のあらゆる部分に負担をかけ続けるため、結果として犬の健康寿命を縮めてしまうことがあります。実際に、犬の肥満と寿命に関する科学的な調査を行った資料がいくつかありますが、中には肥満によって寿命が2年ほど縮まるといった報告があります」

Q.家庭で、犬の肥満度をチェックすることはできるのでしょうか。

増田さん「犬の大きさは多種多様であり、また同じ犬種であっても体格差に幅があるため、個々によって適正体重は異なります。そのため、目安となるのが、皮下脂肪の付着具合を見るための『ボディ・コンディション・スコア(BCS)』というものです。5段階で評価し、適正なものが『3』、痩せているものは『1』や『2』、肥満である場合は『4』や『5』となります。9段階に分けて評価する場合もあります。ご家庭でもチェックができるので、おうちのワンちゃんの体形を観察してみましょう」

Q.愛犬に肥満の傾向がみられた場合、どうすればよいですか。

増田さん「肥満は、摂取しているエネルギーが消費量より多い状態が続くことで生じる場合が多いのですが、中には他の病気によって肥満が生じるケースもあります。愛犬の適正体重と、一日に必要となるエネルギーを知っておくことがまず第一歩です。

食事の量を極端に制限することで減量を試みようとするケースを見かけますが、犬も人間と同じく、無理な減量はリバウンドを起こしやすくなるほか、他の病気やケガにつながることもあります。適切な運動と食事のバランスを取って、健康的に減量を行うことが理想です。自己流で解決することは避け、かかりつけの動物病院と連携して改善につなげましょう」

オトナンサー編集部

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