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【疑問】健康診断の「検便検査」で何が分かるの? “大腸がん”は見つかる? 消化器病専門医が解説

オトナンサー / 2024年5月15日 9時10分

検便検査で大腸がんを見つけることは可能?

 健康診断のときに行われる検査の一つが「検便検査」です。事前に自宅で採取した便を健診先の医療機関に提出し、便の成分を調べてもらうのが一般的ですが、この検査ではどのようなことが分かるのでしょうか。大腸がんを早期発見することは可能なのでしょうか。

 検便検査で見つかる可能性のある病気について、「ふれあいの丘内科内視鏡健診クリニック」(横浜市都筑区)院長で、認定内科医・消化器病専門医・消化器内視鏡専門医の粟田裕治さんに聞きました。

■「早期大腸がん」は陰性となることも

Q.そもそも、検便検査の目的について教えてください。検査により、どのようなことが分かるのでしょうか。

粟田さん「検便(便潜血)検査の主な目的は、便に血液の成分があるかどうかを調べ、大腸がんの有無を確認することです。例えば、大腸にがんや大きいポリープなどがあると、便がその表面に接触したときに出血を起こし、血が便に付着することがあります。この場合は『陽性』と判定されます。

ただ、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患でも腹痛や下痢、血便といった症状が出るため、場合によっては陽性となるケースがあります。また、いぼ痔(じ)のほか、硬い便を排出するときに肛門が切れたことによる出血(切れ痔)の場合も陽性と判定されることが多いです」

Q.では、検便検査は大腸がんの早期発見に役立つのでしょうか。

粟田さん「検便検査では、肉眼では分からないレベルの極微量な出血も感知することができます。そのため、血便のような肉眼で分かるレベルの自覚症状が出る前の段階で大腸がんを発見することができます。

大腸がんの箇所は常に出血しているわけではないため、基本的に検便検査は、2回(2日)分の便を調べる、いわゆる『2日法』と呼ばれる方法で行われます。そのうち、1回(1日)でも陽性と判定された場合は、明らかな出血(血便)の症状がなくても進行大腸がんや早期大腸がん、大腸ポリープなどの病気の可能性があるため、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を受ける必要があります」

Q.検便検査は年に1回は受けた方がよいのでしょうか。検便検査だけでは不安な場合はどうしたらよいのでしょうか。

粟田さん「検便検査の際に1回しか採便しなかった場合、大腸がんの人が検査で陽性になる確率は30~40%程度ですが、2回分の便を検査する2日法の場合は70%程度、さらに2年連続で2日法で検査を受けた場合(計4回)は90%程度と、採便の回数を重ねるごとに陽性率が高くなることが報告されています。

つまり、検査を重ねるほど大腸がんを見落とすケースが減ります。そのため、年に1回の健康診断の際に検便検査(2日法)を受けると良いでしょう。

ただし、検便検査で発覚するのは外科手術の適応となる進行大腸がんであることが多く、内視鏡治療が可能な早期大腸がんのほか、大腸がんの原因となる大腸ポリープの場合は検便検査で陰性となるケースが多いです。

そこで、早期大腸がんや大腸ポリープを見つけるには大腸内視鏡検査を受けるとよいですね。40歳を過ぎると大腸ポリープが生じるケースが多いといわれているため、40歳を過ぎたら一度、大腸内視鏡検査を受けるのをお勧めします」

オトナンサー編集部

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