1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. 恋愛

セックスレス夫婦。【体の距離】は遠くても【心の距離】は縮められるのか? 夫婦で向き合うなかで見つけた「新たな生き方」

OTONA SALONE / 2024年5月14日 19時31分

昨年末、25年ぶり実施の『性機能障害の全国実態調査に関する報告』が発表されました。年齢別EDの有病率はなんと50歳以上で41.7%。また、性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。

 

つまり、日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。

 

これらの社会課題を男性側の視点で捉え、執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、レスを抱えた夫婦問題についてレポートする【後編】です。

 

この記事の【前編】を読む性欲の不一致で夫婦間に溝ができてしまった佐藤さん(38歳・会社員)。どうして夫は妻にだけEDになってしまったのか?

 

【無子社会を考える#10】後編

夫婦でカウンセリングに行って知った、妻のトラウマ

「カウンセリングのセッション中、妻が涙を流しながら、僕も知らない自分の過去について語り始めたんです。彼女は僕と付き合う前に深い愛情を寄せていた人との恋愛関係が、相手の突然の裏切りによって終わったことを明かしてくれました。その出来事がトラウマとなり、その悲しみを誰にも見せずに抱え込んでいたんです」

 

奥さまのトラウマは、佐藤さんに対する行動に無意識のうちに影響を与えていました。奥さまは愛されたい不安から、いつしか佐藤さんに対して性的に求めることでしか愛情を確認できなくなっていたようです。しかし、その行動が逆に佐藤さんにプレッシャーを与え、夫婦間のギャップを広げる結果となっていました。佐藤さんは奥さまの過去を知ることで、どれほどの痛みを抱えていたかを理解したいと考えるようになったといいます。

 

佐藤さん夫婦は専門のセラピストと共に、現在も奥さまのトラウマに対処するためのセラピーを継続しています。セラピーを通じて奥さま自身、本来の価値観を取り戻し、過去の出来事が現在の行動にどのように影響しているかを理解しているそうです。また佐藤さんも、奥さまの過去と現在の行動のつながりを理解することで、これまで以上に支えたいと考えるようになったといいます。

 

このプロセスを通じて、佐藤さん夫妻はお互いの深い部分を共有し、以前よりも強固な絆で結ばれています。奥様の過去のトラウマを共に克服する努力は、夫婦関係に新たな強さをもたらしたのです。過去や現在の課題を認識しながら、その関係はより健康的で愛に満ちたものへと変わっているようです。

 

 

大切な妻の存在を再認識して、夫婦生活が好転する

「セックスレスが改善されたかというか、完全に言い切ることはできません。とはいえ数ヶ月に1回程度ですが、セックスを楽しむようにはなりました。それよりも日頃から夫婦のスキンシップが明らかに増えたことが嬉しくて、そのなかにセックスはあってもなくてもどっちでも良いのかなと、自然の流れに任せようと考えています」

 

佐藤さん夫婦はセックスレスを克服するのではなく、あくまでも2人の時間を大切に共有することを優先するようになったようです。

 

「お互いにセックスを目的としないスキンシップを増やすことから始めました。手をつなぐ、ハグをする、一緒にベッドで読書をするなど、親密さが増す小さな行動が驚くほど日常に自然に溶け込むようになり、お互いの間に新たな結びつきを感じるようになったのです」

 

このように佐藤さんは力を込めて語ってくれました。

 

「私たちの結婚生活は完璧ではありませんが、何よりも、お互いを深く理解して尊重する関係を築けていることに感謝しています」

 

佐藤さん夫婦の物語は、夫婦間の関係が性的な充足だけで成り立つわけではないことを教えてくれます。真の絆は、困難を共に乗り越え、お互いを深く理解し合うことから生まれるのかもしれません。

 

数年後、佐藤さん夫婦の関係がどのような変化を遂げているのか、再び取材をしたいと思います。

 

≪家庭関係研究所 山下あつおみさんの他の記事をチェック!≫

 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください