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食事とホームパーティ -最低限知っておきたい「国際標準のマナー講座」【3】

プレジデントオンライン / 2014年5月5日 16時15分

望むと望まざるとにかかわらず、仕事で海外に出る日本人は増えている。ビジネス成功のためにも、ぜひ世界で通用するマナーをマスターしておきたい。

かしこまった接待やパーティを主催する場合、気をつけたいことの一つに、国旗の扱いがあります。国旗というのは国の顔であって、国際儀礼ではもっとも重要な敬意表現。もし国旗が破けていたり、どちらかの国旗が小さい場合は、その国への不敬行為に当たりますし、複数国が並列される場合は左側が上位になるなど、配置からポールの立て方まで厳格に決まっています。もし扱いがわからなければ、外務省や大使館に問い合わせるといいでしょう。

ドレスコードがある場合はきちんと守りましょう。主催者はある目的のもとに会を催していて、その格式を保つために服を指定しているわけですから、それを勝手に変えることは侮辱を意味します。ナショナル・コスチュームは最も格式の高い装いの一つなので和装でもかまいませんが、紋付き袴といった男性の和装はNGなので気をつけてください。わからなければ主催者に聞きましょう。

ヨーロッパには、ホテルに宿泊するとき、偉い方ほど上階に泊まるという習慣があります。しかし、震災以降、低い階をお望みになる方が増えました。私は最近、必ず秘書の方にどのくらいの階がいいのかを聞くようにしています。マナーとは時代や環境で変わることもあり、教えられた型をなぞるだけではないのです。

まさに「上善水の如し」で、お相手のことを慮って臨機応変に対応していけることこそが、国際社会に通じる本当のマナーかと思います。

■【食事】接待ディナーから立食パーティまで

●注文は招待した側から……仕事上で招待した側の一番下の人が注文、ワインなども主催者側が選ぶのが基本だが、会の趣旨によってはゲストが選ぶこともある。宗教的禁忌とアレルギーなどは必ず事前に確認を。
●液体、麺類は音を立てずに……スープやパスタなどを音を立ててすするのは、アジアの多くの国ではOKだが、欧米では最も下品とされる行為。絶対に避けたい。
●ナイフの刃を人に向けない……相手に敵意があるとみなされてしまう。実際にこれが原因で商談が中止になった例もある。パン皿のナイフなどについても要注意。
●タバコは食事中はNG……国によっては吸える場所もあるが、食事中は基本NGと思っておいたほうがよい。北米はとくに喫煙に厳しい。葉巻はOKの場合があるが、ホワイエ(ウエーティングルーム)で。
●ビュッフェでは料理を取った場で固まらない……料理の置かれた台の前に日本人同士固まって話し続けるというケースがありがちだが、後ろに並んでいる人の邪魔になりがち。料理を取ったら率先して会話の輪の中に入っていこう。
●上位の人を紹介してほしい場合は、主催者に依頼……正式なパーティの場で、面識のない著名人や上位者を紹介してほしい場合は、主催者に依頼するのが礼儀。上位者のほうから直接話しかけてきた場合は問題ない。

■【ホームパーティ】欧米では日常的。夫婦同伴が大原則

●夫婦単位が基本……主催するときも招かれるときも夫婦一緒が原則。自身が主催する際は、妻も一緒にもてなすのが基本なので、料理だけ用意して別室に控えるといった行為はNG。
●宗教やアレルギーの確認を……自身が主催する場合は、宗教的タブーに触れたり、アレルギーのある食材を出さないように必ず事前確認を。シルバーのカトラリーは少しずつでも揃えておくと重宝する。
●手土産は日持ちのするものを……あまり高価なものや日持ちのしない生もの、切り花などは避けたほうがよい。日本的なものであれば干菓子などが無難。子どもがいる家なら子ども向けのお菓子やおもちゃなども喜ばれる。

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上月マリア(こうづき・まりあ)
20年にわたって国際人の育成にあたり、日本の精神から国際マナーまで総合的な指導を行っている。2012年には中国でも「成功のための国際マナー」の講演を行った。『どんな場でも、「困った人」にならない気配りの習慣』など著書も多数。

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(日本プロトコール&マナーズ協会 理事長 上月 マリア 構成=鈴木 工)

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