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祭祀財産や庭内神しが相続税非課税となるための要件や範囲を解説

相談LINE / 2021年10月6日 19時0分

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相続税の計算上、相続したすべての財産が相続税の対象になるのではなく、相続税が課税されない非課税財産と言われる財産があります。この非課税財産の典型例として、墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物が挙げられます。
相続税対策として、生前に被相続人のお金でお墓を建てたり、仏像を購入したりするといい、といった話を聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、それはこの非課税財産の取扱いを踏まえたものです。

■仏具等の範囲

ただし、この非課税財産である仏具等の範囲について、その解釈が問題になることがあります。典型例としては、仏像でも純金製の仏像は、日常礼拝等するようなものではなく、投機等の対象財産として課税される、といった指摘があります。その他、数年前に問題になった事例ですが、庭内神しと言われる財産が問題になりました。

庭内神しとは、屋敷の中にある神の社など、ご神体を祀り日常礼拝しているものをいい、ご神体の一例としては、不動尊や稲荷など、地域住民などの信仰の対象とされているものを意味します。

この庭内神しですが、日常礼拝しているという点からすれば仏具等と同じように取り扱うべきと考えられます。しかし、従来の国税の取扱いは、庭内神しそのものは非課税になるものの、その敷地となる土地については課税対象としていました。この点、とある裁判で問題になり、国税が敗訴したことで現状は庭内神しの敷地についても、原則として相続税の非課税財産とされています。

■非課税となる要件

原則として非課税、と書きましたが、庭内神しの敷地は無条件に非課税財産とされる訳ではありませんので注意が必要です。

具体的には、以下の要件を満たすような、庭内神しと敷地が、社会通念上一体の物として日常礼拝の対象とされているといってよい程度に密接不可分の関係にある相当範囲の敷地について、相続税の非課税財産になると判断されています。

1 「庭内神し」の設備とその敷地、附属設備との位置関係やその設備の敷地への定着性などの面
2 その設備及びその附属設備等の建立の経緯・目的に照らした面
3 現在の礼拝の態様等も踏まえた上でのその設備及び附属設備等の機能面

これらを判断するためには、庭内神しの現況などをチェックする必要があり、ケースバイケースの判断となりますので、専門家の意見を聞くなどして慎重に判断する必要があります。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開し、税理士を対象としたコンサルティング業を展開。

※注意事項:記載については、著者の個人的見解であり正確性を保証するものではありません。本コラムのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、著者は賠償責任を負いません。加えて、今後の税制改正等により、内容の全部または一部の見直しがありうる点にご注意ください。

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