焼肉食べ放題店の元経営者が明かす、注文されると“苦しい”メニュー。上・中・下の価格帯で店が一番儲かるのは
日刊SPA! / 2024年3月17日 8時54分
食べ放題の品目の中でも、原価10%の商品もあれば70%の商品もある。メインの焼肉の中でも塩牛タン、歩留まりにもよるがロース、カルビ、上ハラミなどは原価が高く、これらに集中すれば店は収益的に苦しい。特に希少部位である牛タンは上価格帯の食べ放題でしか入れられないのが現状である。
高原価の肉ばかり食べられると原価が高騰するから、他の一品メニューに分散させて原価率の安定化に努める。ホルモン系統、キムチ、サラダ、わかめスープなどの低原価商品に誘導し、推奨販売させれば、標準原価である35%を維持でき、店も顧客も双方が満足する。
食べ放題店は必ず複数のプランを用意しており、上・中・下の価格帯になっている。その中で、和牛や国産牛を入れた上位のプランは儲けが一段と違う。和牛などの霜降り肉は脂でしつこくなるから、量を食べられず、すぐにダウンしてしまうからだ。最初はピンク色の霜降り肉を見て、歓声を上げるが、実際に食べるとなるとそれは別である。すぐにあっさりとした原価の低いサラダやキムチなど一品メニューに移行してしまい、店としても単価は高く、原価も低いドル箱プランである。
◆孤食をターゲットにした「新たな焼肉」スタイル
最近は1人で焼肉を食べたいといった潜在ニーズを顕在化させた店が店舗数を増やしている。それが東京都を中心に全国86店舗 (24年3月6日付)を展開する「焼肉ライク」だ。
焼肉は1人では入りにくいものだが、その1人客をターゲットにした小型(20坪程度)で効率の高い焼肉店の存在感が出てきた。孤食を好み、気兼ねなく焼肉を食べたい1人焼肉の需要に応えた店づくりで、客席回転率の向上による坪当りの売上・利益を拡大させている。
焼肉ライクは「焼肉をもっと自由に」をキャッチフレーズに、フランチャイズの加盟店を積極的に応募し、多店舗展開をしている。18年8月、東京・新橋に1号店を開店した。生みの親はなんと、牛角の創業者でもある西山知義氏が率いるダイニングイノベーションだ。
店の特徴としては、1人でも気軽に行ける焼肉屋、焼肉のファストフード、自分風にカスタマイズした焼肉を目指し、1人1台の自分専用のロースターを設置し、周囲の目を気にすることなく、自分のペースで焼肉を堪能できる店づくりにしている。
◆「焼肉ライク」人気の要因とは
焼肉ライクの想定客単価は、時間帯にもよるが、昼が1100円、夜は1500円。滞在時間は25分で「低単価、高回転」を徹底した新たなビジネスモデルが、加盟店希望者には魅力のようだ。競争相手は焼肉店だけでなく回転寿司なども視野に入れており、今後も顧客動向を注視しながら、さらに磨いていくだろう。
この記事に関連するニュース
-
ロードサイドに強い「あみやき亭」。“いきなり!ステーキの後釜”が次なる一手か
日刊SPA! / 2024年6月1日 8時53分
-
ラーメン店の廃業が急増!山岡家、一風堂、丸源ラーメン…「有名ラーメンチェーン」の業績を比較
日刊SPA! / 2024年5月31日 8時53分
-
ランチ需要の奪い合いが激化。コンビニ業界の「意外な苦境」と、“ファミレス業界首位”の生き残り戦略
日刊SPA! / 2024年5月25日 8時53分
-
激安焼肉食べ放題店の“裏事情”を元店員が暴露。お店の人気ランキングを「信じてはいけない」
日刊SPA! / 2024年5月21日 15時54分
-
鳥貴族“全品370円均一”に値上げでも「原価率30%を守る」攻めの接客マニュアルとは
日刊SPA! / 2024年5月15日 8時52分
ランキング
-
1テレビの電源を「本体の主電源」で消すと故障の原因になるってホントですか? 【専門家が回答】
オールアバウト / 2024年6月2日 20時35分
-
2ガスト、大人のお子様ランチプレートがおつまみとして素晴らしすぎた<チェーン店ひとり酒>
日刊SPA! / 2024年6月2日 15時52分
-
3関東撤退から半年 東京に復活した「東京チカラめし」、なぜ新店舗が庁舎内に?
ねとらぼ / 2024年6月2日 12時0分
-
4「餃子の王将」この2年で4度目の値上げを発表。それでもお客が離れない“2つの理由”
女子SPA! / 2024年6月1日 8時46分
-
5月19万円の年金で貯蓄3000万円でも「贅沢はできない」67歳男性が語る年金暮らしのリアル
オールアバウト / 2024年6月1日 22時20分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください