【桟原将司連載#7】高校最後の夏、なめてかかった浪商に敗北…1時間泣きました
東スポWEB / 2024年5月17日 11時28分
【桟原将司 ハナの剛腕道中(7)】大阪桐蔭高2年の夏、1つ上の先輩方は履正社相手にまさかの初戦敗退。予想よりも早く自分たちの代が巡ってきました。新チームとなって僕がエースとして投げるようになり、秋季大阪大会は上宮に負けてベスト8。3年生になった春の県大会は上宮太子に敗れ、ベスト8という成績でした。
僕らが3年生になった2000年、春のセンバツ近畿代表として上宮太子が初出場しました。現在も巨人で指導者として活躍している同学年の亀井善行がエースというチームでした。上宮太子の野球部は1998年に創部。最初は亀井を含む1年生しかいないチームでした。それでも2年の夏に決勝まで進出して準優勝。新チームになった時には優勝候補の筆頭に挙げられ、順当に勝ち進んで選抜にも出場しました。
ただ、実際には当時の大阪府にはずばぬけて強いチームはいなかったと感じています。PL学園がものすごく強かったという印象もなかったですし、絶対にこの高校には歯が立たないと思ったチームはなかったんです。大阪桐蔭が他校にどう思われていたかは分かりませんが、強豪校といわれるチームの実力は拮抗していたと思います。僕たちのチームは1年生の秋から西谷浩一監督にお世話になり、全国レベルの強豪校との試合も徐々に経験させてもらい発展途上といった印象だったでしょうか。
最後の夏、初戦は2回戦スタートで箕面自由学園を相手に僕が先発し完封勝利。3回戦に僕は投げず、2番手投手が先発し此花総合に17―0で5回コールド勝ちでした。そして4回戦は大体大浪商です。有名校ではありましたが、7月の練習試合で10点差以上つけて勝っていた相手とあって自分としては眼中にないくらいの気持ちでいました。
浪商に勝てば、次は上宮。中学時代に胸の漢字表記の「上宮」の文字に憧れ、進学先にと考えていた憧れのユニホームです。でも、そんなこと考えてちゃダメですよね。目の前の敵に勝ってから次の試合のことを考えなきゃ。
ミーティングでもチームメートと上宮のエースで1学年下の下敷領悠太(法政~日本生命~ロッテ)のビデオばっかり見ていました。こんなアンダースロー打てるのか?などと騒ぎつつです。
ところが試合が始まってみると…ってやつですね。先発した僕は2回に変化球を狙い打たれるなど失点を重ねてしまいます。おそらくデータを取られていたのでしょう。序盤での失点が響いて3―7で敗北。マウンドで最後まで投げて完投負け。なめてかかった浪商にしてやられました。気の緩みですね。
最終回、最後の打席が回ってきましたが結果は右飛。試合終了から1時間ぐらい泣いたと思います。控えの3年生で試合に出られなかった同級生に申し訳なくて謝り続けたのを覚えています。
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