1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

グリコ「17種類出荷停止」巨大プロジェクトで誤算 40年ぶり社長交代で"データ志向"を目指したが

東洋経済オンライン / 2024年4月25日 16時0分

新システムでは、こうした社内のレガシーを統一し、プロセスをシステム上でつなげ、人による調整を減らすこと。顧客から研究開発、調達までデータと業務を紐付けること、全社レベルでデータを可視化し、課題の発見や経営判断のスピードを上げるといった狙いがあった。開発には複数社のITベンダーが関わっている。

デジタル戦略を打ち出したが

グリコは2022年、40年ぶりの社長交代で創業家の江崎悦朗社長が就任。江崎社長はデータ志向の企業に変革すべく、デジタル戦略を前面に打ち出した。全社員を対象に研修を実施し、デジタル人材育成にも取り組んできた。そんな戦略の中で、新基幹システムは欠かせない要素の一つだった。

今後、懸念されるのは業績への影響だろう。出荷停止中のBifiXヨーグルトやプッチンプリンなどの商品は、最大セグメントである「乳業事業」(前期売上高696億円)に含まれている。1カ月半近く出荷が止まることによる売り上げの減少は大きい。また、物流や人件費など、危機対応の費用を計上する可能性もありそうだ。

昨今、業界を問わずシステム障害事例は多い。みずほ銀行などは大規模なシステム障害を繰り返し、多方面で信用を失う結果になっている。メーカーの場合、出荷停止状態が長引けば、スーパーやコンビニで、ライバルに商品棚のスペースを奪われる可能性は一段と高まる。まさにグリコは正念場。迅速かつ慎重な対応が求められる。

田邉 佳介:東洋経済 記者

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください