1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

超希少「データ人材」本気で育成する現場のリアル 滋賀大学、資生堂の現場を訪ねてみた

東洋経済オンライン / 2024年5月8日 10時40分

と漏らしていた。

修士並の力をつけるカリキュラム

そうした状況の中、この会社は新たな取り組みをスタートした。インターンシップ制度を設けて滋賀大学と連携、一本釣りで採用に繋げているという。

「インターンとして来てくれた学生は学部生だったのですが、修士並の力があり驚きました」

と担当者。実際、インターンシップがきっかけで入社を決める学生も出ている。

なぜ、修士並の力があるのか。答えはカリキュラムにあるようだ。

データサイエンスは文系の学部で扱われることも多いが、数学の知識もかなり必要なため、大学によっては理系学部の中にコースを置くところもある。

一般的な理系学部では、学部生は基礎科目、修士から専門科目となる所が多い。ところが、データサイエンスは文理融合の科目。どちらかと言えば理系に近いが、カリキュラムの組み方は文系学部に近い。

例えば、経済学部を基盤にデータサイエンス学部を創設した滋賀大学では、学部の段階で専門科目の講義が取れるようにカリキュラムが組まれている。実際のデータを使った演習的な授業もある。学部生でも修士レベルの力が身に付くのはこうしたカリキュラムが大きく関係しているようだ。

データサイエンティストの育成が本格的に始まった日本。だが、入江教授は採用活動は活発化してきたものの、企業におけるデータサイエンス人材の活用フェーズは会社によって大きく違うと話す。

「ひとつは、集めたデータをどう活かすかを検討中だという会社。ここでは採用は始まっているものの、どう働いてもらうかはこれからという段階の所が多いです。次が自社の持つデータの分析はすでに終わり、結果の活用を始めている所です。最後にくるのが、これらを基に積極的な利活用が行われているという所です」

《データサイエンス人材活用フェーズ》

① 集めたデータをどう活かすかを検討中

② データの分析が終わり、結果の活用を始めている

③ すでに積極的な利活用が行われている

高い採用実績誇る企業の違い

データサイエンス人材の争奪戦が繰り広げられる中、順調に採用を伸ばしている企業もある。採用を延ばす企業は苦戦する企業と何が違うのか。高いオファー獲得率を誇る資生堂インタラクティブビューティーでは、仕事のやりがいと収入でその魅力を伝えている。

1人ひとりの肌の状態をチェックし、肌質を科学的に判別する機械を開発、1980年代にはすでに顧客1人ひとりの肌質に合った化粧品の提案を始めた資生堂。資生堂グループが持つ様々なデータをビジネスに役立つものにするために作られたのが資生堂インタラクティブビューティーだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください