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唯一の「電車が走らない県」徳島ご当地鉄道事情 ただし鉄道ネットワークは意外に充実している

東洋経済オンライン / 2024年5月15日 6時30分

吉野川沿いを走る徳島線特急「剣山」。キハ185系が活躍する数少ない特急だ(撮影:鼠入昌史)

都会に暮らしている人は、なんだって鉄道のことを「電車」と呼ぶクセがついてしまっている。別にそれは何ら間違いではなくて、実際に走っているのは電車ばかりなのだからムリもない。

【写真】電化された路線が1つもない徳島県。どんな「汽車」が走っているのか?高松と徳島を1時間に1本ペースで走る特急「うずしお」など

一度、電車も気動車もあるような地域の人に、「つい何でも電車って言っちゃうんですよ」などと話したことがある。返ってきたのは、「この地域の人もみんな電車ですよ。気動車も関係なく」。鉄道のことをどう呼ぶか。地域ごとに結構個性がありそうな気がして、興味深いところである。

電車はないが「汽車」がある

そして、今回やってきたのは日本で唯一“電車”の存在しない県、徳島県だ。沖縄県で唯一の鉄軌道であるゆいレールを“電車”に数えるとするならば、徳島県だけが電車の走らない県ということになる。だから、徳島の人たちは、もちろん鉄道のことを電車などとは呼ばない。

聞くところによると、汽車と呼ぶことが多いのだとか。汽車といったら蒸気機関車のことをイメージする人が多いかもしれないが、徳島では気動車もひっくるめて汽車と呼ぶ、というわけだ。

【写真】どんな「汽車」が走っているのか?高松と徳島を1時間に1本ペースで走る特急「うずしお」など(6枚)

電車が走らない徳島県。そう聞くと、そもそも鉄道路線そのものが少ないのではないか、と思ってしまう。しかし、これが意外とそういうわけでもない。県都・徳島市のターミナルである徳島駅を中心にして、四方にしっかりと鉄道ネットワークが構築されている。

隣接県から徳島県に入る路線は、事実上一択といっていい。それは、高松―徳島間を結ぶ高徳線だ。香川県内ではおおむね瀬戸内海沿いを走り、讃岐相生―阿波大宮間で県境。讃岐山脈を越えて徳島平野に出れば、吉野川を渡ってターミナル・徳島へ。普通列車の本数は少なめで、一方では特急「うずしお」が1時間に1本のペースで走るという、特急主体のダイヤが特徴だ。1日2往復だけだが、岡山―徳島間の「うずしお」も走っている。

県都の玄関口徳島駅

このいかにも地方の都市間輸送路線といった趣の高徳線から、支線のように分かれているのが鳴門線だ。鳴門線が結んでいるのは、鳴門―池谷間。ほとんどの列車は池谷駅からそのまま高徳線に乗り入れて、徳島駅まで走っている。

つまり、実質的には鳴門―徳島間の路線といっていい。鳴門は古くから阿波の玄関口で、いまでも鳴門大橋が通って淡路島、そして本州へと通じる交通の要衝だ。

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