トルコCPI、11月は前年比+21.31% 3年ぶり上昇率
ロイター / 2021年12月3日 18時30分
トルコ統計局が3日発表した11月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比で21.31%で3年ぶりの高水準となった。写真は2021年10月、イスタンブールで撮影(2021年 ロイター/Dilara Senkaya)
[イスタンブール 3日 ロイター] - トルコ統計局が3日発表した11月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年比で21.31%で3年ぶりの高水準となった。積極的な利下げのリスクが改めて浮き彫りになった。
エルドアン大統領からの圧力により、トルコ中銀は9月以降政策金利を19%から15%に引き下げた。これにより実質金利は大幅なマイナスとなっている。
CPIは前月比で3.51%上昇。ロイターがまとめた市場予想は前月比3%上昇、前年比20.7%上昇だった。
11月の生産者物価指数(PPI)は前月比9.99%上昇、前年比では54.62%上昇した。リラの下落で輸入物価が押し上げられ、エコノミストはCPIの年間上昇率は今後数カ月で30%に迫ると予想している。
前年比では需要の急増を反映し食品やレストラン、ホテルの料金が上昇率を押し上げた。前月比では、世界的なエネルギー価格上昇を受けた輸送費の6%超の上昇も影響した。
リラは今年対ドルで約46%下落。先月だけで30%下落している。
今週は、大統領が低金利政策を改めて擁護したことで1ドル=14.0リラの最安値に下落した。
フィッチ・レーティングスは、「マイナス実質金利、政策ガイダンスの欠如、リラ安を経済発展戦略の一部とする政府関係者、インフレとインフレ期待の上昇で、リラに対する圧力は続く」と指摘。
トルコの格付け見通しを「中立」から「ネガティブ」に引き下げたほか、インフレ率は年末までに25%に上昇し、今後2年は平均で20%程度になると予想している。
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