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インドのインフレ対策、成長阻害し財政赤字拡大する可能性

ロイター / 2022年5月24日 15時39分

 5月23日、エコノミストなどによると、インドの経済成長が圧迫され財政赤字が拡大する一方で、消費者物価を中央銀行の目標に引き下げる効果はほとんど期待できない見込みだ。写真はカルカッタで2021年12月撮影(2022年 ロイター/Rupak De Chowdhuri)

[ニューデリー 23日 ロイター] - インドは輸出関税の引き上げと減税を打ち出したが、エコノミストなどによると、経済成長が圧迫され財政赤字が拡大する一方で、消費者物価を中央銀行の目標に引き下げる効果はほとんど期待できない見込みだ。

インドはここ1か月間でインフレ対策に重点を移している。しかしHSBCや野村のエコノミストによると、消費者物価の上昇率は中銀の許容範囲である6%を少なくとも100bp上回る可能性がある。また成長を阻害し、財政赤字の対国内総生産(GDP)比が40─50bp悪化する恐れがある。

コタク・エコノミック・リサーチのSuvodeep Rakshit氏は、利上げで借り入れコストが上昇し、輸出税により設備投資が鈍化すると指摘し、成長見通しに悪影響が及ぶと分析。2022/23年度のインフレ率予想は7.2%に据え置くとした。

インドは鉄鋼製品に輸出関税を課したほか、鉄鉱石の輸出関税を引き上げた。

鉄鋼大手ジンダル・スチール&パワーのマネジングディレクター、V・R・シャルマ氏は「国内の設備投資を抑制する」の見方を示した。鉄鋼会社の輸出が妨げられるとし、輸出を30年までに1兆ドルに拡大する政府の目標が遠のくと予想した。

<インフレ対策>

4月にインフレ率が数年ぶりの高水準に達したため、政府はガソリンとディーゼルの減税を行った。これにより歳入が1兆ルピー減少し、状況が悪化すればさらに2兆ルピー減ることになる。

しかし、消費者物価指数(CPI)でガソリンのウエートは2.2%、軽油は0.15%に過ぎず、今後数カ月でCPIを50bp以上押し下げる程度にとどまるとエコノミストはみている。

政府のインフレ対策の費用は、今年度の総支出の8%近くを占める可能性がある。だが食品価格や電気料金、企業の投入コスト上昇により政府の対策が相殺され、物価が上昇するリスクがあるという。

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