ライカカメラらしい撮影がさらに磨かれた! 「LEITZ PHONE」が3になって再び登場
ASCII.jp / 2024年4月11日 11時0分
ソフトバンクが4月19日の発売する「LEITZ PHONE 3」は、ライカカメラ社が本体のデザインにまで監修している「LEITZ PHONE 3」の第3弾。価格はソフトバンクオンラインストアと店舗で一括19万5696円。
「Leitz Looks」がさらに強化され、背景のボケを調節できるようになったほか、本体デザインにもいくつかの変更が加えられている。LEITZ PHONE 3の実機から進化の度合いを確認してみよう。
◆側面だけでなく背面も滑りにくさ重視の加工に しっとりとした触感で機能性も高級感もさらにアップ
まず外観から確認すると、LEITZ PHONE 3は約6.6型のPro IGZO OLEDディスプレーを搭載しており、本体サイズは約77×161×9.3mm、重さは209gとなる。前モデルとなる「LEITZ PHONE 2」はディスプレーの型数と本体サイズが同じで、重さが211gであったことから、本体サイズはほぼ変わらないといっていいだろう。
ただボディーにはいくつか変更が加えられており、1つは背面素材である。LEITZ PHONE 2は背面が光沢のあるガラス素材が用いられていたが、LEITZ PHONE 3ではレザー調のポリウレタン素材を採用し、さらにダイヤモンドパターンの加工が施されている。それゆえLEITZ PHONE 2とは見た目の印象や素材感も大きく変わっている。
だがしっとりしした触感となり、撮影時に本体が滑りにくくなったことは、撮影を重視するLEITZ PHONEシリーズとして見れば大きなメリットだ。滑りを防止する側面のローレット加工は継続して取り入れられていることから、側面と背面の両面で滑りを防止し、より撮影に集中しやすくなったといえる。
もう1つ、側面のデザインにも変更が加えられている。LEITZ PHONE2は全体的に角ばったデザインであったのに対し、LEITZ PHONE 3は上下の角が丸みを帯びたデザインとなっていることから、手に当たった時のフィット感は良くなっている。
一方で背面のデザインは、大きなカメラと赤い「Leitz」ロゴが目立つデザインとなっており、FeliCaマークがない点も含めLEITZ PHONE 2を踏襲している。カラーはライカホワイトから一転してライカブラックとなり、ある意味で初代の「LEITZ PHONE 1」に近くなったともいえるが、LEITZ PHONE 3は側面もブラック(LEITZ PHONE 1は側面がシルバー)なので見分けはつきやすい。
なお、側面のインターフェースに関しては、右側面に音量キーと電源キー、底面にUSB Type-C端子、上部にSIMスロットと3.5mmのイヤホン端子が備わっている。指紋センサーはLEITZH PHONE 2同様、ディスプレー内蔵型だ。
◆「Leitz Looks」はボケ具合も調節できるように 14chスペクトルセンサー搭載で光や色味を補正してくれる
続いてカメラを確認すると、背面のカメラは約4720万画素の1インチセンサーを備えたF値1.9のメインカメラと、約190万画素の距離測定用カメラ、そして14chスペクトルセンサーを搭載。フロントカメラは約1260万画素/F値2.3となっている。
一連のスペックや、ディスプレーにPro IGZO OLEDを搭載している点から、端末の開発・製造はシャープが担当しており、性能面から見て「AQUOS R8 pro」がベースと考えられる。
AQUOS R8 proは、暗い場所などで色を正確に再現する14chスペクトルセンサーを除けば「AQUOS R7」とカメラ性能はかなり近い。それゆえLEITZ PHONE 3は、AQUOS R7がベースのLEITZ PHONE 2とカメラの性能は大きく変わらない。性能面強化を期待している人には残念だが、LEITZ PHONE 2同様、Octa PDAFの採用による素早いオートフォーカスは健在で、質の高い写真を撮影しやすいことに変わりはない。
一方でLEITZ PHONEらしさという部分ではより強化がなされており、1つは「Leitz Looks」の機能である。選択できるレンズのモードは、風景に適した「Summilux 28」とスタンダードな「Summilux 35」、ポートレート撮影向きの「Noctilux 50」の3種類で前モデルと変わっていないのだが、新たにF値を選んで背景のボケ具合を6~7段階から調整できるようになった。
それに加えてLeitz Looksには新たなフィルターの追加もなされており、鮮やかでダイナミックな色彩の「VIVID」と、コントラストを鮮明にして影を明るくする「ENHANCED」の2つが追加されている。ボケ具合の調整と、既存の「MONOCHROME」「CINEMA CLASSIC」「CINEMA CONTEMPORARY」を含めた5つのフィルターの活用によって、Leitz Looksでの表現力がより大きく高められたことは大きなメリットだ。
また、後述するがチップセットの性能強化もなされているためか、Leitz Looksで撮影した時の時間はLEITZ PHONE 2よりもやや短くなった印象も受ける。ただ、それでも撮影から保存が終わるまで2~3秒程度かかるので、ある程度構図を決めてから撮影した方がいいだろう。
そしてもう1つ、新たに追加されているのが「ライカ・パースペクティブ・コントロール」という機能。これは本体のジャイロセンサーを用いてカメラを保持している角度を測定し、歪みを補正するというもの。ライカカメラの一部機種に搭載されている機能を、LEITZ PHONE 3に採用したものとなる。
この機能が使えるのは「マニュアル写真」での撮影時のみで、設定すると白い枠が画面上に現れ、シャッターを押すと枠内の被写体の歪みを補正してくれる。枠の動きが本体のジャイロセンサーの傾きによるため、好きなように調整するのが難しいほか、本体を大きく傾けると枠が消えてしまい、機能が利用できなくなることから、やや使いどころを選ぶ印象もあるが、あとから調整する必要がないので、建物などを歪みなく撮影するのに便利な機能だ。
なお、シャープが開発していることもあって、シャープのカメラの便利機能もいくつか可能となっている。とりわけ画面上の好きな位置にシャッターを設置できる「フローティングシャッター」は、LEITZ PHONE 3での撮影をしやすくするのにも便利なので有効活用したい。
◆スナドラ8 Gen 2は最先端ではないが そもそもの性能が非常に高い
性能面を確認すると、チップセットはクアルコム製のハイエンド向けとなる「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載しており、メモリーは12GB、ストレージは512GBで、1TBまでのmicroSDによるストレージ増量も可能となっている。AQUOS R8 proをベースにしていると見られることもあってか、チップセットが最新でないのはやや残念に感じてしまうが、LEITZ PHONE 2と比べればチップセット自体の性能は高められており、リアルタイムレイトレーシングにも対応している。
もちろん各種ゲームで性能を確認しても、チップセットに相応しい高い性能を確認できた。LEITZ PHONE 3をゲーミング目的で購入する人は多くないだろうが、AAAクラスのゲームも十分快適にプレイできる性能を持つことは間違いない。
一方で、AQUOS R8 proと違って、カメラのリング部分から放熱する「サーモマネジメントシステム」がうたわれていないことから、放熱性能がどうなっているのかが気になるところだ。
そこで負荷の高いゲームをしばらくプレイして本体の発熱状況を確認してみたのだが、カメラと側面が熱を帯びるなどAQUOS R8 proと放熱の傾向が近しいことから、積極的にうたわれてはいないものの、サーモマネジメントシステムのような仕組みが取り入れられているものと推測される。
それ以外の性能を確認すると、バッテリーは5000mAhと安心の大容量で、「Qi」規格によるワイヤレス充電にも対応。ロゴはないがFeliCaや、IPX5・IPX8・IP6Xの防水・防塵性能も備えているので国内での利用は安心感がある。
一方で、LEITZ PHONE 3はここ最近のAQUOS Rシリーズのボディー設計を引き継いでいる影響もあってか、それら機種での指摘が多くなされている、強度が弱めのSIMトレイも引き継いでしまっている。ので、SIMの抜き差しをする際には十分注意する必要がある。
【まとめ】撮影機能は充実したが踏み込んだ進化も欲しかった
まとめると、LEITZ PHONE 3はLeitz Looksでよりライカカメラらしい撮影を楽しみやすくなったLEITZ PHONE 2の良さを強化し、一層手軽に表現力の高い写真を撮影できるようになった。本体も滑りにくい素材を採用して撮影時の安定感も増しており、カメラの楽しさを満喫できる一品に仕上がっていることは確かだ。
ただ一方で、ベースモデルが1年前のものということもあって、全体的な進化に乏しい印象は否めない。とりわけライカカメラが監修しており、海外で販売されているシャオミの最新モデル「Xiaomi 14 Ultra」が、望遠撮影を大幅に強化したり、専用のアダプターを装着してよりカメラらしい撮影ができる仕組みを用意したりするなど、カメラに重点を置いた大きな進化を遂げていることを考えると、より踏み込んだ進化ポイントもあってよかったのではないかとも感じてしまった。
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