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一体なぜか知ってる? バイクに「一級整備士」が居ない理由

バイクのニュース / 2024年4月29日 9時20分

クルマの一級整備士は存在しますが、2024年現在、バイクの一級整備士は誰一人として存在しません。その背景には、どのような理由があるのでしょうか。

■規定はあるのに資格者が一人もいない理由とは

 バイクの修理やメンテナンスのために、バイクを預ける整備工場を探した経験がある人は多いと思います。しかし、整備工場のホームページを見ていると、「二級整備士資格」をアピールしている工場はいくつもあるものの、「一級整備士資格」について言及しているところは、なかなか見つかりません。

 せっかく愛車を預けるなら、一級整備士資格を持った人のいる整備工場に任せたいと思う人も居ると思いますが、現在日本において、バイクの一級整備士資格を持っている人は誰一人として存在しません。

 つまり、現時点での最上位のバイクの整備資格は、二級整備士資格ということになります。クルマの場合は一級整備士も存在しますが、なぜバイクの一級整備士資格を持った整備士はいないのでしょうか。

バイクの一級整備士の試験は一度も実施されていないバイクの一級整備士の試験は一度も実施されていない

 その理由は、バイクの一級整備士の試験が一度も実施されていないためです。

 道路運送車両法に規定される自動車整備士の資格は、一級、二級、三級、特殊の4つの階級に分けられています。

 まず一級は、普通車を扱う「一級小型自動車整備士」、トラックなどを扱う「一級大型自動車整備士」、バイクを扱う「一級2輪自動車整備士」の3種類。

 次に、二級は「二級ガソリン自動車整備士」、「二級ジーゼル自動車整備士」、「二級2輪自動車整備士」、「二級自動車シャシ整備士」の4種類。

 三級は二級とほとんど同様で、「三級自動車ガソリン・エンジン」、「三級自動車ジーゼル・エンジン」、「三級2輪自動車整備士」、「三級自動車シャシ整備士」の4種類に分けられます。

 それに加え、特殊整備士としてセンサー類やECU等に特化した「自動車電気装置整備士」、ボディやフレームに特化した「自動車車体整備士」、タイヤに特化した「自動車タイヤ整備士」の3種類の資格が存在。

 合計すると、14種類の資格が有ることになりますが、これらの資格の中で現在試験が実施されているのは、11種類のみ。

「一級大型自動車整備士」、「一級2輪自動車整備士」、「自動車タイヤ整備士」の3種類の試験は現在実施されておらず、「一級大型自動車整備士」、「一級2輪自動車整備士」の試験に至っては、道路運送車両法で規定されてから、一度も行われた事はありません。

 では、なぜこれらの資格の試験は実施されていないのでしょうか。

必要と認められるまでは一級整備士の試験は実施される事は無い必要と認められるまでは一級整備士の試験は実施される事は無い

 まず、「一級大型自動車整備士」と「一級2輪自動車整備士」について。これらの試験がおこなわれていない理由を一言で表すと、二級整備士の資格を持っていれば、全ての整備が問題なくおこなえるから。

 一級整備士が規定された経緯は、バイクやクルマに搭載される電子技術等が高度化し、応用的な整備に対応できる技術者が必要とされる未来に備えるためです。

 そのため、必要と認められるまでは一級整備士の試験は実施される事は無く、現在唯一実施されている「一級小型自動車整備士」の試験についても、規定されてから長い間おこなわれておらず、2003年に初めて実施されました。

 なお、自動車タイヤ整備士については、タイヤ交換の際に資格が不要であることや、その他の整備士資格と内容が重複することなどが影響し、2000年を最後に試験はおこなわれていません。

※ ※ ※

 バイクの一級整備士が存在しないのは、そもそも試験が実施されていないため。そして試験がおこなわれていないのは、現時点ではまだ必要でないと判断されているためでした。

 ただし、現在試験が実施されていない経緯を考慮すると、バイクの電子制御部品の点数が増え、仕組みが複雑になった場合、一級二輪自動車整備士の試験が実施される可能性は十分にあるので、取得を目指す方は、これからのバイク技術の動向に注目しておくと良いでしょう。 

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