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今年夫婦で70歳になりました。貯金が「100万円」しかないのですが、節約すれば何とか生活できるでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月10日 4時30分

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定年後の生活費は、年金と貯金とでやりくりを考えているご家庭が一般的です。   貯金額はご家庭によってそれぞれですが、子どもや孫への出費が多くご自身の老後の備えが後回しになってしまうご家庭も少なくないでしょう。   今回の例は孫への仕送りが多く、貯金が100万円のみというケースです。   総務省統計局の家計調査報告を基に、70歳の夫婦が年金と貯金だけで生活できるのかを解説します。

70歳から90歳まで生きる場合いくら必要?

厚生労働省が公表する簡易生命表によると、令和4年時点で男性の平均寿命は81.05歳、女性の平均寿命は87.09歳でした。
 
こちらの統計データを参考にし、70歳から90歳まで生きると仮定して20年間に必要な生活費を算出してみましょう。
 
総務省統計局が令和4年に行った家計調査報告では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の支出額は26万8508円でした。
内訳は、食費や光熱費などの消費支出が23万6696円、税金などの非消費支出が3万1812円です。
 
年間の支出額は322万2096円となるため、70歳から90歳までの20年間では、6444万2000円ほど必要になるでしょう。
 

100万円の貯金で何ヶ月生活できるのか?

同調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の実収入は24万6237円です。
 
支出額との差額は、2万2271円となります。
つまり、毎月2万2271円分が不足分となるため、この不足分については基本的に貯金を切り崩さなくてはならないということです。
 
今回の問題のケースでは、貯金が100万円ということであるため、100万円の貯金で何ヶ月生活できるかを計算してみましょう。
 
結果は約44.9ヶ月であり、貯金と年金のみとで生活できるのは3年8ヶ月程度という結果になりました。
老後を90歳までと考えた場合、100万円では不十分なことが分かりました。
 

節約をすることで毎月の不足分を解消できるか?

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の支出額である26万8508円は、あくまでも統計上の数値であるため、節約することで費用をおさえられるかもしれません。
 
例えば、消費支出23万6696円のうち、主な項目は以下の通りです。

●食費:28.6%(約6万7776円)
●交通・通信:12.2%(約2万8878円)
●光熱・水道:9.6%(約2万2611円)
●教養・娯楽:9.0%(約2万1365円)
●住居:6.6%(約1万5578円)

これらの項目の中から、毎月の不足額である2万2271円分以上を節約できれば、100万円の貯金を減らすことなく月々生活できます。
 
ただし、大きな病気をしたときの治療費や住宅の補償費用などのようにまとまった費用が必要となるケースも想定されます。
仮に毎月の赤字の状態ではなかったとしても100万円の貯金では心もとないと考えるのが無難であるといえるでしょう。
 

貯金100万円と年金のみで生活するのは難しい可能性が高い

先述の通り、70歳から90歳まで生きる場合、20年間で約6444万2000円が必要であることが分かりました。
 
65歳以上の夫婦のみの無職世帯は消費支出と非消費支出を合わせると、毎月26万8508円が必要なのに対し、収入の平均は24万6237円です。
 
平均値で計算すると毎月2万円以上の赤字になることに加え、大きな病気・けがなどのまとまった支出にも対応できません。
そのため、節約をしたとしても貯金100万円と年金のみで生活するのは難しいでしょう。
 
どうしても生活が苦しい場合、定年後も働くことも検討する必要があります。
現役時代に身に付けたスキルなどを生かし、可能な範囲で仕事をしましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編」2022年(令和4年)平均結果の概要(23.24ページ)
厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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