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退職金「1000万円」を定年後の楽しみに頑張っていますが、「税金」で手取りが減ってしまうこともあるんですか? どのくらい引かれるのでしょうか…?

ファイナンシャルフィールド / 2024年4月28日 3時0分

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「退職金」は、勤続年数などによっては1000万円を超える高額な報酬がもらえるため、老後の生活資金に期待している人も多い制度です。しかし、退職金にも所得税や住民税がかかり、受け取れる金額が減ってしまうことは事前に知っておきたい知識の一つです。   その一方で、退職金は通常の給与や賞与と異なり、退職金所得専用の控除があり、税金がかかりすぎないように優遇されている報酬でもあります。退職金を受け取る前に、どのくらい税金がかかっているかをチェックしてみましょう。

退職金は勤務年数により控除額が変わる

退職金にかかる税金は「所得税」「復興特別所得税」「住民税」の3種類であり、金額は主に「勤続年数」で大きく変わります。
かかる税金の計算方法は、まず「退職所得控除額」を算出する必要があります。勤続年数が20年以下と20年超で控除の金額が異なるため、自身の勤続年数をあてはめて計算してみましょう。
 
図表1

勤続年数が20年以下の場合 40万円×勤続年数
勤続年数が20年超の場合 800万円+70万円×(勤続年数-20)

国税庁 退職金と税を基に作成
 
例えば、勤続年数が18年の場合は「40万円×18年=720万円」が退職所得控除額になります。勤続年数が25年の場合は「800万円+70万円×(25-20)=1150万円」です。
では、もらえる退職金額を1000万円と仮定して計算してみましょう。
 
退職金1000万円から退職所得控除額を引き、引いた額を2分の1にして「課税退職所得金額」を算出します。勤続年数が18年である場合の式は「(1000万円-720万円)×1/2=140万円」、勤続年数が25年の場合は「(1000万円-1150万円)×1/2=0円」となります。
 
課税退職所得金額が0円である場合は課税対象となる退職金がないため、税金がかからず1000万円全額が受け取れます。勤続年数18年で140万円の課税退職所得金額がある場合は、さらに計算が必要です。
 
まずは、この140万円に所得税の税率と控除額をかけましょう。
所得税の税率は課税退職所得金額により異なります。140万円の場合、計算式は「140万円×5%=7万円」となり、さらに復興特別所得を足した計算が「7万円+(7万円×2.1%)=7万1470円」と計算されます。所得税は7万円、復興特別所得税は1470円と分かりました。
 
そして、住民税は課税退職所得金額の10%がかかるため、「140万円×10%=14万円」が住民税となり、合計で「7万1470円+14万円=21万1470円」が1000万円の退職金から差し引かれる税金となります。
 

退職金の税金は会社が手続きしてくれる

複雑な計算式であるため自身で税金を計算して確定申告を出すことは難しく感じますが、基本的に退職金も給与と同じく、源泉徴収で税金が引かれます。その際に必要な手続きは会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出することのみであり、他に税金関連ですべきことはありません。
 
自身で確定申告をおこなう必要はありませんが、医療費控除やふるさと納税による寄付金控除を利用する場合は、確定申告時に退職所得も記載する必要があります。
また、「退職所得の受給に関する申告書」を提出しない場合は退職金から一律で20.42%の所得税および復興特別所得税が源泉徴収されるため、確定申告により清算することになります。
 

まとめ

退職金は必ずしも予定されている全額がもらえることはなく、金額や勤続年数によっては住民税や所得税が引かれることもあります。しかし退職金の控除は金額が大きいため、かかる税金が0円で全額もらえることも十分考えられます。
もらう側がやるべきことは「退職所得の受給に関する申告書」の提出のみのため安心です。退職まで勤続年数を延ばして、なるべく控除額を大きくしましょう。
 

出典

国税庁 退職金と税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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