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ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか! 静岡県知事選9日告示、リニア中央新幹線が焦点 東京と大阪を1時間で往来、地方創生の大きなチャンスになる可能性

zakzak by夕刊フジ / 2024年5月8日 15時30分

走行試験を行うリニア中央新幹線の試験車=山梨県笛吹市(夕刊フジ)

舌禍で退職願を提出した静岡県の川勝平太知事の後継を決める県知事選が9日に告示されます。投開票日の26日まで、17日間の選挙戦に突入します。

川勝氏は、リニア中央新幹線について、水資源や環境への影響が懸念されるとして県内の着工を認めませんでした。政府やJR東海、時には近隣の県とも対立したので、今回の県知事選でも「リニア中央新幹線へのスタンス」が注目されています。

いち早く立候補を表明したのは元総務省官僚で元副知事の大村慎一氏(60)で、旧民主党で衆院議員を務めた元浜松市長の鈴木康友氏(66)ら、新人4氏が出馬を表明しています。

大村、鈴木両氏とも、リニアは「推進」です。大村氏が「これまでの議論を検証しながら、大井川流域の自治体と意見を重ねたい」と言えば、鈴木氏も「川勝知事が明確にし、深掘りした課題は、新たな解決方法が見えてきた。環境との両立を図っていく」としています。

静岡県は、今走っている東海道新幹線ですら最速の「のぞみ」は県内を通過しています。リニアは駅もできず地元に何の恩恵もないという意見もあります。確かに、南アルプスの8・9キロをトンネルで通過するだけですから、そう思うのは自然のことです。

ただ、JR東海の運輸収入のうち新幹線が占める割合は、実に92・9%です。JR東日本の32%、JR西日本の53%と比べて、新幹線傾斜は相当です。新幹線の収益で、静岡県内も含めてJR東海エリアの在来線のインフラも維持しています。今後乗客を増やすのが難しい在来線単体では、存続そのものが危うくなってしまいます。

リニアが新たな需要を掘り起こすことができれば、在来線は存続がより見通せるようになります。何より、リニアは未来に向けた日本の新技術です。個人的には夢のある話だと思います。

以前、山梨県の実験線で体験乗車する機会がありました。低速域ではゴムタイヤで走っていた列車が速度を上げていき、磁力による浮上運転になってフワッと浮いた瞬間の、何とも言えないなめらかな乗り心地は、電車にはない気持ちの良い体験でした。

リニア中央新幹線は、東京と名古屋を約40分、大阪を1時間で行き来します。これで日本社会も変わるのではないかと思っています。各中間駅が置かれる地方都市間は10分で往来可能となれば、平日と週末、あるいは曜日ごとに生活拠点を分ける多拠点生活というライフスタイルも可能になるでしょう。

実際、東京圏在住の20代の約45%が、地方移住に関心を持っているという調査もあります。うまく環境整備した自治体にとっては、地方創生の大きなチャンスになるかもしれません。可能性が詰まったリニア中央新幹線。何とか私が生きている間に乗りたいものです。

■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。

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