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11月の米国大統領選挙でトランプ再選なら…追い風になる銘柄は?(児玉一希/株式投資家)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月18日 9時26分

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トランプ再選となったら…(C)ゲッティ=共同

 今年世界的に注目されるのは、11月の米国大統領選挙です。前回ドナルド・トランプ氏が当選した2016年は、投票当日にトランプショックで株価下落、しかし直後にV字回復し、米国株は長期に渡って上昇トレンドになりました。

 もともと米国の大統領選挙の年は株高になりやすく、また変動が大きいとも言えますので、チャンスを逃さないようにしたいものです。今回は、もしもトランプが再選された場合の影響を踏まえ、追い風になりそうな業界、銘柄について紹介したいと思います。

 米国では、日本以上の賃金上昇を上回る激しい歴史的なインフレが進んでいます。4月の消費者物価指数は前年比3.4%の上昇で、3カ月ぶりに伸びが鈍化したものの、依然として高い上昇率が続いています。

 トランプ政権再来の場合の予測ですが、アメリカ国内に入ってくる輸入商品に一律10%以上の関税をかけたり、中国に対しては戦略物資を中心に60%以上の関税をかけるなど、政治的なバランスよりも、経済的なメリットを前面に押し通す傾向にあります。

 日本の主力産業である自動車と半導体業界に対しても、どの程度の関税をかけるのかが焦点になります。最近では、岸田政権が半導体の製造基盤強化のため政府ファンドを創設し、開発組織に10兆円を投資しました。そんななかトランプ戦略は、日本の半導体制御装置や半導体素材に対して何かしらの圧力をかける可能性も考えられます。

 一方で、面白いかもしれないのが飼料会社です。日本の米国からの輸入品目のなかで多くを占めるのが食料品です。コーンなどの穀物に、牛肉、豚肉を中心とした畜産物が挙げられます。これらに関して日本に関税を下げるよう取引を迫ってくることが考えられますが、その代わり日本は自国商品の米国における関税の引上げを避けられるわけです。そこで恩恵を受けるのが飼料会社です。

 銘柄は中部飼料<2053>やフィードワン<2060>などが挙げられます。日本の飼料、農畜産業は、米国などから安価な穀物を輸入して国内で飼料を製造し、畜産や農業業者に販売するモデルで、近年は円安によって穀物が高騰し、非常に台所事情が苦しかったという背景があります。

 もう一つ再選後に考えられるのは、米国内法人への減税です。前に述べたように、財政が逼迫した中で減税を行うとなると、より米国の財政状況は悪化し、ドルという通貨に対しての信頼性が根本的に揺らいでいく傾向にあるといえます。基軸通貨としてのドルの地位が低下すると、資産の避難先として選ばれやすいのがゴールドです。インフレが進みやすい時代、安全資産と呼ばれるゴールドへの投資は個人的にも必須だと思います。記事執筆時現在で1g=1万1000円台ですが、さらに上昇傾向にあります。

 大統領選挙の年は結果として株高になるといえますが、全く想定しなかったことが起こるかもしれませんし、乱高下しやすいので、もし暴落局面があったときはチャンスに変えることが重要なポイントです。

(児玉一希・RES代表取締役/株式投資家)

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