1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

手取り30万円・40歳の新婚男性「後悔しています」「老後資金を考える余裕はない」強い不安のワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月30日 20時0分

写真

(※写真はイメージです/PIXTA)

晩婚化が進み、「教育費」「老後資金」をセットで考えなければならない世帯が増加しています。本記事では、「日本人の生活のリアル」について、国税庁『令和4年分 民間給与実態統計調査』などとともに解説していきます。

40歳男性の「あまりに辛い事情」

39歳のときに3つ下の女性と結婚した島田さん(40歳・男性/仮名)。同年一人娘が生まれましたが、日々の生活に強い不安を覚えていると語ります。月の収入は手取りで30万円程度。貯金は夫婦合わせて500万円です。

「今後の教育費や妻と僕の老後資金について考えると、惨憺(さんたん)たる思いがします。娘が20歳になるとき、僕は定年間際じゃないですか。大学在学中の独り立ちもできていない子どもを抱えて、大丈夫なのかと。もちろん嘱託社員か何かで働き続けるつもりではいますが、老い先を思うと、暗い気持ちになります」

国税庁『令和4年分 民間給与実態統計調査』によると、1年を通じて勤務した給与所得者は5,078万人で、平均給与は458万円。正規社員523万円、非正規社員201万円となっています。島田さんの手取り30万円は、年収だと450万円ほどの計算ですからほぼ平均といえます。

今年で40歳の島田さん、今まで貯金はしてこなかったのでしょうか。意外な事情を明かしました。

「まさかこの年になって」明かされた親との金銭問題

「親が飲食店経営で失敗したんです。2年ぐらい居酒屋を営んでいましたが、最後のほうは赤字が続き、僕がかなり資金援助をしていました。初期費用も多少支援していたので、トータルで支払った額は400万円を超えているかと思います。……正直、30代に入ったときには、結婚を諦めていました。趣味も物欲も特にないし、若いころ両親には散々迷惑をかけたので、恩返しの気持ちもありました」

「本当に、生涯独身のつもりでいたんです。まさかこの年になって、結婚して、子どもまでできるとは思っていなかった。もちろん幸せですが、自分のお金をもっと計画的に蓄えていればと後悔しています。親には『お金を返してほしい』なんて言えないし、というか、もう何も残ってないでしょうし」

厚生労働省『2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況』によると、全世帯では、「貯蓄がある」は82.4%で、「1世帯当たり平均貯蓄額」は1,368万3,000円となっています。高齢者世帯では、「貯蓄がある」は80.7%で、「1世帯当たり平均貯蓄額」は1,603万9,000円という結果です。

もちろん上記は平均値であり、細かい内訳を見るとまた違った様相が露わになります。

奥様の収入はいくら?…「思い悩んでいます」の真相

全世帯の貯蓄額でもっとも多かったのは「3,000万円以上」で11.8%。「1,000万円~1,500万円未満」が9.7%「500万円~700万円未満」が9.1%と続きます。「貯蓄がない」は11.0%で、貯蓄のある人とない人との差が大きい結果となっています。「50万円未満」は4.3%と、決して少なくない数値を記録しています。

島田さん、教育費についても訥々と語ります。

「子どもは大学まで通わせてあげたい。奨学金の負担はなるべくさせたくないですが、手段の一つとして、視野には入れています」

実際、子どもの教育にどれほどのお金が必要なのでしょうか。文部科学省『子供の学習費調査』(令和3年度)によると、幼稚園では公立で約47万円、私立で約92万円、小学校では公立で約211万円、私立で約1,000万円、中学校では公立で約161万円、私立で約430万円、高等学校では公立で約154万円、私立で約315万円がかかります。

なお、日本政策金融公庫『教育費負担の実態調査結果』(令和3年度)から日本の平均値を見ると、高校入学から大学卒業までにかける子ども1人当たりの教育費用は942.5万円です。

そして島田さん一家が暮らすのは、千葉県某市に佇む1LDK。家賃は7万円と都内近郊に比べてはるかに安価ですが、月の食費はおよそ8万円。保険料、お小遣いをはじめとしたトータルの生活費は、30万円弱になります。

「妻も大体同じくらいの年収です。なので世帯収入は月60万円ぐらいですかね。マイホーム購入も考えていますが、今ローンを組んだら、返済までの何十年が恐ろしいなと……賃貸も賃貸で『もったいない』とは感じているんですけどね。思い悩んでいます」

「節約は心がけていますが、あくまで『細かな支出を抑える』手段であって、お金が増えるわけではないんですよね。当然といえば当然ですが、なかなか辛いものがある。副業することも考えています。土日のどちらか、1日ぐらい働ける簡単な仕事を探している最中です」

専門家が語る「お金が貯まりやすくなる方法」

「投資は……さすがに怖いので、手を出す気はないです。余裕資金がある人の手段だと思っています。まずは働いて、節約して、貯めないと」

支出を把握し、節約することは、資産形成でも最重要と考えられますが、「お金のプロ」は下記のようにも指摘しています。

“「支出を把握する」というと「家計簿をつけなくちゃいけないんじゃないの?」と思うかもしれません。確かに記録は必要ですが、難しく考える必要はありません。

月ごとに口座やクレジットカードから引き落とされる金額は、通帳やインターネットから確認ができます。あとは日々財布から出るような費用がいくらかかっているのか、大まかにでも把握できればよいのです。

初めから細かく食費、日用品、生活費…などと、費目に分類するのが面倒ですよね。まずはお金を使ったときに、「消費・浪費・投資」といった3つの「使い方の基準」を記録をする簡単な方法で十分です。

この場合、「消費」は生きるために必要な支出を指します。適正な食費、水道光熱費、家賃など、生活に必ず必要な支出のことです。「浪費」は明らかな浪費、いわゆる無駄使いです。そして「投資」は自己投資と金融投資(将来への投資)の2つを含みます。

それぞれの使途の理想的な割合は、「消費:浪費:投資=70:5:25」(世帯年収800万以下の場合)です。この数字に近づくと、お金が貯まりやすくなると考えられます。”(関連記事『「貯金したい気持ちはある」ズボラ会社員がお金を貯めたワザ』横山光昭氏)

「老後資金…考えたいですが、そんな余裕はないかな」

島田さん、最後に切なる思いを吐露しました。

「老後資金……考えたいですが、今のところそんな余裕はないかな。もちろん備えたいですが、まずは娘の教育資金です。大学卒業以来、夫婦2人とも真面目に働いてきたし、年金保険料も問題なく払ってきました。なので頼むから、老後の生活は国に保障してもらいたいです」

「年金に期待はできないといっても、なくなることはないでしょう。……そう信じていますが、不安は尽きないですね」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください