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「PBR優良企業」の4つの共通点とは 財務・非財務の経営管理手法

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月14日 9時15分

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優良企業の特徴とPBRを高める道筋を探る(ゲッティイメージズ)

 近年、東証による「資本コストや株価を意識した経営」などの要請を受け、PBR(株価純資産倍率)やROIC(投下資本利益率)を意識した経営を目指す企業が増えている。約34年ぶりの高値を付けた日本株の好調は、こうした企業改革の推進が原動力となっている。

 連載の第1回「古くて新しい『ROIC経営』 再注目の背景に、日本企業への“外圧”」では「外圧(経産省、東証、投資家など)によりROIC経営が再注目されている」ことに触れながら、本質的には「事業売却の有無と企業価値(PBR)に強い相関がある」ことを確認し、事業売却の意思決定ができる、すなわち本気の経営管理、事業ポートフォリオ管理を実行できている企業は、ROIC経営を実直に推進していることを紹介した。

 第2回は、アビームコンサルティング執行役員 プリンシパル 企業価値向上 戦略ユニットの小宮伸一氏が解説。優良企業(PBRが高く、事業撤退の経験のある企業)の特徴と、PBRを高める道筋(成功ポイント)を探っていきたい。

●PBR優良企業の4つの特徴

 アビームコンサルティングが実施した「進化するROIC経営の実態調査」(以下、ROIC経営調査)の結果から、優良企業の特徴として4点を導いている。

 稼ぐ力の創出に関する取り組みとして2点、成長期待の醸成に関する取り組みとして1点、これらの活動のベースとなる取り組み1点を加えた4点である。

 稼ぐ力を創出するにあたり、(1)ROIC×αを用いて事業ポートフォリオを妥協なく組み替えている。また、(2)ROICと連動した現場KPIを厳選し、ROICと連動したPDCAが回る仕組み(業績連動)を構築している。成長期待を醸成するために、(3)知的資産の投資対効果を追求し続けている。以上3点を実現するため、(4)連結経営管理のデータインフラを妥協なく整えている――の4点だ。詳しく見ていきたい。

●優良企業はROIC「×α」で事業ポートフォリオを管理

 第1回でも紹介したとおり、外圧(経産省、東証、株主などの要請)もあり、ROICを用いた事業ポートフォリオの管理に取り組む企業が増えている一方、ROICは単年度の効率性指標であるため、緊縮・短期志向を懸念する声も聞かれる。そのような中、優良企業は、ROICに加え、「売上高成長率」「市場成長率」といった「α」となる規模成長指標を組み合せることで、中長期的な視点を持って事業ポートフォリオの管理を進めている。

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