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メニューたった3種類で急成長「鰻の成瀬」 東京チカラめし、いきなり!ステーキを反面教師にできるか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月29日 6時15分

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鰻専門店「鰻の成瀬」の店舗数が急激に伸びている

 2022年9月、横浜市内に1号店をオープンして以来、猛烈な勢いで店舗を増やしているのが、鰻専門店「鰻の成瀬」だ。フランチャイズビジネスインキュベーション(以下「FBI」、東京都港区)が運営しており、2023年2月から多店舗展開を開始した。2024年3月には、1号店をオープンしてからわずか1年半で100店を突破。出店のスピードはさらに加速している。2024年4月末には150店を超えるのが確実である。

 これほどまでの外食のスピード出店というと、かつての焼き牛丼「東京チカラめし」、立ち食いステーキ「いきなり!ステーキ」が絶好調だった時の“無双状態”を思い起こさせる。近年では高級食パン「乃が美」、から揚げ専門店「から揚げの天才」も、最盛期の出店ペースは驚異的だった。

 周知のとおり、これらのチェーンは最終的に失速。東京チカラめしに至っては、国内店舗はその名にある東京、さらには関東にすらなく、大阪に1店あるのみとなっている。急速に店舗展開をし過ぎて人材が育たず、他社との競争も激化したのが主たる原因だ。自社内での商圏競合もあった。

 ところが、今のところ鰻の成瀬は、フランチャイズ(FC)システムを導入し、かつて散っていったチェーン以上の爆発力で順調に拡大を続けている。FBIの広報によると「毎週、6店くらいずつ新規オープンしている。最近は、FC店のオーナーが2店目、3店目と複数のお店を出しているケースが多い」とのこと。同一オーナーの複数出店ならば、自社内の競合リスクは低減されそうだ。このままのペースだと、今年中には300店を突破して、350店に迫るのではないか。

 通常は100店も運営すれば、営業不振で閉める店も出てくる。ところが現状は、オーナーの都合により、名古屋市内で1店が閉店しただけにとどまる。オーナーが続けられなくなっても、いったん本部が引き継いで、別の人に橋渡しするオーナーチェンジがうまくいってるという。

●メニューはわずか3種類 職人なしでも提供できるワケ

 鰻の成瀬は、メニューが基本的に3種類しかない。「うな重(梅)」(1600円)、「うな重(竹)」(2200円)、「うな重(松)」(2600円)で、サイズ違いのみだ。他には、瓶ビール(700円)、冷酒(700円)、ノンアルコールビール(550円)などと、飲み物が数種類あるだけである。鰻は肉厚で、通常のものと比較するとサイズが1.5倍ほど大きく、2分の1尾が入っている梅でも、なかなか食べ応えがある。1尾を使う松ともなれば、鰻がお重に収まり切れなくて、はみ出ている。

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