物流現場は「宝の山」 生産効率を最大化する供給改善法とは
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月6日 12時40分
写真はイメージ(提供:ゲッティイメージズ)
40年以上も前から「物流は宝の山」と呼ばれてきた。改善のメスが入っていないため、効率化のネタ(宝)が山ほどあるということだ。そうはいってもどうやって宝を見つけたらよいかが分からずにいるため、40年前と大きな変化はないと思われる。
さて物流という宝の山を掘る時に注目したいことがある。掘った時に出てくる宝は何も物流自体の効率化とは限らない。それよりももっと大きな宝が出てくることもあるということだ。
それが今回のテーマである「供給改善」の結果生じる「生産の効率化」である。この供給改善は工場の本質である生産自体の効率化につながるため、物流改善の初期段階で取り組むことが望ましい。それでは早速、供給改善のポイントを確認していこう。
●生産効率を最大化する供給改善
供給作業とは、生産ラインに必要な部品や資材(以下、部品など)や、完成品を入れるための容器と生産指示情報を届ける作業のことである。大切なことは“届け方”であるが、それを定義すると「次の生産に必要なものを、必要な数量だけ、必要なタイミングで届ける」ということになる。
当たり前のことかもしれないが、これがきちんとできている工場はそれほど多くない。特に重要な要素が「タイミング」である。タイミングは「生産開始のギリギリ前」が望ましい。供給遅れは当然許されないが、早く届けすぎてもいけない。これをコントロールできる物流を目指していきたい。
先述した定義はやや概念的な表現になっているため、もう少し補足しておこう(図1)。供給作業を改善させるポイントは次の2点である。
・資材や部品は納入容器から取り出して供給する
・資材や部品は使う順番で供給する
これらの供給作業を定義通りに行ったとしたらどのような宝が見つかるだろうか。これから確認していこう。
●「生産時ロス」という宝を掘り出せ
供給作業の品質次第で、生産効率は向上も低下もする。もし定義通りの作業ができれば、一般的に生産工程で見られる次のようなムダが解消される(図2)。
・部品などを取る時に発生する歩行や伸び上がりなどの動作
・部品などが絡んでしまっている場合それをほぐす動作
・部品などの包装材や容器のハンドリング
・今使う部品などを選択する判断作業
・判断ミスによる誤組み付け
これらのムダが解消されるだけでも、生産効率は大幅に改善される。部品などを取る時の判断間違いによる品質不良も削減できる。もちろん、現時点で定義通りの供給作業を実施していなかった場合、その通りに実行することで一時的に物流作業工数が増えるかもしれない。
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