「M4チップ」と「第10世代iPad」こそがAppleスペシャルイベントの真のスターかもしれない
ITmedia PC USER / 2024年5月10日 12時0分
iPad 10世代は5万8800円から購入できるようになった。円安が進行しているにも関わらず、2022年10月の発表時の価格から1万円値段が下がった。価格設定は明らかに日本のGIGAスクールを意識したものだ
iPad miniを除く、iPadシリーズが一新された5月7日のApple Event。イベント用に作られた映像での配慮の少ない過剰演出こそ不評だったが、発表された内容はその不評を払拭する勢いだ。
人気の「iPad Air」は、一回り大きい13インチモデルが加わり、動画視聴や読書、ゲームなど最も需要が大きい使い方をさらに快適に利用できるように変えている。
強く握るとペン先からツールが絞り出されるように飛び出てくるスクイーズ操作や、ペン先を回転させてストロークの向きを変えたりできるバレルロールの操作などに対応した「Apple Pencil Pro」は、筆などのアナログ筆記具に劣っていた表現を吸収するだけでなく、無駄なペン先の移動を無くし思考の中断を減らすことにも貢献しそうだ。
そして「iPad Pro」は、これまでのApple製品の中で最薄なだけでなく、プロの映像クリエイターが膝の上で映像の品質チェックができる美しいタンデムOLEDのディスプレイを備えながら、まだMacにすら搭載されていない最先端の「M4チップ」を内蔵している。
そんなApple Eventだが、この記事では既に多くの記事で紹介されているiPad Air、iPad Pro、Apple Pencil Proについては、遠からずまたレビュー記事を書くことになると思う。この記事では、それらでは触れない2つの注目ポイントに焦点を当てたい。
それは、「第10世代iPad」とM4チップだ。
●日本の学校の未来のために頑張った「第10世代iPad」
筆者がまず注目したいのは、AirもProも付かない標準iPadの最新モデルである第10世代iPadだ。
2022年10月に発表されたモデルだが、一気に進んだ円安であらゆる海外製品が値上げされている中、何と価格が1万円も引き下げられ、5万8800円(64GB+Wi-Fiモデルの場合/税込み、以下同様)から購入できる。
これは、日本の多くの学校にとって非常に大きな意味を持つことだ。
日本では全国の児童/生徒1人に1台のコンピュータと高速ネットワークを整備する文部科学省の取り組み、「GIGAスクール構想」がコロナ禍に入って前倒しでスタート。今では世界に誇れる、最も学習用デジタル端末が普及した国の1つに生まれ変わった。
このGIGAスクールでは、どのモデルを採用するかまでは定めておらず、学校や教育委員会がWindowsのPCやタブレット、Chromebook、iPadなどから選定して導入している。
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