米鶏卵大手カル・メイン・フーズ、テキサス州で鳥インフルエンザ感染鶏を大量処分(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月9日 1時10分
米国の鶏卵流通・販売大手カル・メイン・フーズ(本社:ミシシッピ州リッジランド)は4月2日、同社のテキサス州北西部、パンハンドル地域(注)にあるパーマー郡所在の施設で、高病原性鳥インフルエンザH5N1型(以下、鳥インフルエンザ)の陽性を確認したと発表した。同社が飼育する鶏の総数の3.6%にあたる、採卵鶏160万羽およびその若鶏33万7,000羽を処分した。米国農務省(USDA)の規定に従い、同拠点での生産は現在、一時的に停止している。USDAによると、鳥インフルエンザのヒトへの感染リスクは低く、安全に処理され調理された卵から感染することはないとの報告から、同社は市場に流通した鶏卵に影響はないとして、製品の回収は行っていない。
USDAによると、3月25日に、カンザス州とテキサス州の牧場各2カ所で採取された牛乳や牛ののどから、鳥インフルエンザが検出された。このうち、テキサス州の発症地において野鳥の数の減少が報告されたことから、USDAは野鳥を介した牛への感染を示唆した。米国で牛への感染が確認されたのは、今回が初めてだ。米国食品医薬品局(FDA)によると、市場に流通している低温殺菌処理済の牛乳および乳製品の品質や供給などへの影響はないという。
さらに、米国疾病予防管理センター(CDC)は4月1日、テキサス州でヒトへの感染を確認したと発表した。鳥インフルエンザ陽性が確認された牛と接触したことが要因とされ、目の充血を訴えるも回復に向かっているという。ヒトへの感染リスクは依然として低いと判断されている。米国でのヒトへの感染例は、本件を含め累計2例。
米国での鳥インフルエンザ感染は2016年に初めて確認された。全米の野生の水鳥、商業用家鶏、ペット用家禽(かきん)の感染数は、足元で2022年に5,782万羽、2023年に2,185万羽と報告されている。
(注)フライパンの取っ手のような形からついた呼称。
(キリアン知佳)
(米国)
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