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ADB、アジア新興国・地域の2024年と2025年の経済成長率を4.9%と予測(ASEAN、ベトナム、フィリピン、インドネシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月30日 0時5分

添付資料PDFファイル(177 KB)

アジア開発銀行(ADB)は4月11日、「アジア経済見通し(2024年4月版)」で、アジア新興国・地域(注1)の2024年実質GDP成長率を前年比4.9%とする見通しを発表した(添付資料表1参照)。前回2023年12月に発表した4.8%から0.1ポイント上方修正した。南アジアと東南アジアは内需と輸出の両方に支えられて堅調な成長が続くと分析。特にインドは7.0%の成長が見込まれるとした。一方、中国は不動産市場や消費市場の低迷で成長が鈍化し、4.8%の成長と予測されている。2025年のアジア新興国・地域の成長率については、2024年と同じく4.9%と予測した。

東南アジアの2024年成長見通しは4.6%

東南アジアの2024年の成長率については4.6%と予測した。前回の予測から0.1%下方修正となったものの、堅調な内需に加え、観光業の継続的な回復が後押しとなり、2023年の成長率4.1%を上回ると分析している。国別では、フィリピンとベトナムの成長率がそれぞれ6.0%と域内で最も高い予測となり、カンボジア(5.8%)、インドネシア(5.0%)、マレーシア(4.5%)が続いた。2024年半ばから輸出が好転すると予測されており、ベトナムやフィリピンなどの成長を牽引するとした。また、インドネシアは個人消費の伸びのほか、公共インフラ支出が成長の下支えになるとした。シンガポール(2.4%)やタイ(2.6%)は、2%台の成長予測となったが、2023年の成長率を上回る見込みだ。

2025年については、東南アジアの成長率を4.7%と予測した。国別では、フィリピンとベトナムがそれぞれ6.2%で首位。それにカンボジア(6.0%)、インドネシア(5.0%)、マレーシア(4.6%)が続く見通しとなった。

インフレ率は減速傾向も、3%台続く

ADBは、アジアの新興国・地域の2024年インフレ率の見通しを前年比3.2%、2025年は3.0%と発表した(添付資料表2参照)。過去2年間よりも世界的な物価上昇圧力が緩和するものの、多くの国・地域で金融政策の引き締めが続くと分析した。しかし、中国を除く地域では、インフレ率が依然として新型コロナ禍前(注2)よりも高い水準となる。なお、東南アジアのインフレ率は、2024年3.2%、2025年3.0%と予測した。

(注1)アジア大洋州地域のうち、次の46カ国・地域。

東アジア:香港、モンゴル、中国、韓国、台湾
東南アジア:ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、東ティモール、ベトナム
南アジア:アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、インド、モルディブ、ネパール、パキスタン、スリランカ
中央アジア:アルメニア、アゼルバイジャン、ジョージア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン
大洋州:クック諸島、ミクロネシア、フィジー、キリバス、マーシャル諸島、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、バヌアツ

(注2)「アジア経済見通し2020年4月版」によると、2019年のアジア・新興国地域のインフレ率は2.9%だった。

(庄浩充)

(ASEAN、ベトナム、フィリピン、インドネシア)

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