1~3月の港湾貨物取扱量、前年同期比3.3%増、カスピ海域での増加が顕著(ロシア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月25日 0時10分
ロシア商業海港協会の発表(4月17日)によると、2024年1~3月のロシア海港での貨物取扱量は前年同期比3.3%増の2億1,430万トンだった(添付資料表参照)。
貨物取扱量を品目別で前年同期と比較すると、コンテナ貨物(11.9%増)、穀物(13.1%増)、鉱物質肥料(37.9%増)、原油(0.7%増)、液化ガス(4.6%増)が伸びた。一方で、石油製品(16.5%減)、石炭(15.2%減)、鉄鋼(5.3%減)、鉱石(4.4%減)、食品(1.3%減)が減少した。海港所在海域別ではカスピ海域が40.4%増加したが、極東海域が4.9%減、北極海域が4.3%減、アゾフ・黒海域が4.2%減、バルト海域が1.6%減だった。
3月単月でみると、ロシア海港の貨物取扱量は前年同月比3%減の8,000万トンとなった。海域別では、カスピ海域が前年同月比40%増、バルト海域が18%増。一方で、アゾフ・黒海域が16%減、極東海域が8%減、北極海域が4%減だった。(「インフラ・ニュース」4月16日)。
貨物取扱量の増加が顕著なカスピ海域だが、南北国際輸送路(注)を通じた輸送量の増加がその一因とみられる。カスピ海はロシアのほかにイランやトルクメニスタン、アゼルバイジャン、カザフスタンに面し、その地理的な特徴から交通の要衝に位置づけられる。カスピ海に面し、南北輸送路上に位置するアストラハン州のイーゴリ・バブシキン知事はインターファクス通信のインタビュー(4月16日)に対して、2024年1~2月の同州の海港の総貨物取扱量は前年同期の2倍以上に当たる92万8,000トンを超えたと語った。増加の理由として、アストラハン、オリャ両港を経由して南北輸送路を通る貨物輸送需要の増加を挙げた。
(注)イランなどを経由して、インドとロシアを結ぶ複合輸送網。
(後藤大輝)
(ロシア)
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