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「昭和の家の窓ガラス」をノスタルジックな照明器具に かけがえのない「思い出」ごと変身させるステンドグラス作家に注目

Jタウンネット / 2024年5月5日 6時0分

「昭和の家の窓ガラス」をノスタルジックな照明器具に かけがえのない「思い出」ごと変身させるステンドグラス作家に注目

2024年4月16日、Xに投稿された次のような写真が注目を集めた。

「ステンドグラス モワノ stainedglass moineau」(@s_moineau)さんの投稿より

なんともお洒落なランプシェードやライトスタンドたちである。

しかし、どこか"懐かしさ"のようなものも感じられないだろうか?

というのもこれらの照明器具には、「昭和のレトロガラスを使ったステンドグラス」が使われているのだ。

「ステンドグラス モワノ stainedglass moineau」(@s_moineau)というアカウントから投稿された写真たちには1万7000件を超える「いいね」(4月19日時点)の他、こんな感嘆の声が寄せられている。

「ノスタルジックで可愛い」
「昭和ガラスをこんなふうにリメイクして残してくださるの、本当に嬉しい」
「懐かしくて美しい」

昭和のレトロガラスをリメイクしようと思ったきっかけとは? Jタウンネット記者は投稿者に詳しい話を聞いてみた。

昭和ガラスには「想い出」がある

「昭和のガラスがこんなに素敵な照明に リメイクができる、ということを皆さんに知っていただきたくて投稿しました」

そう語るのは、アカウント「ステンドグラス モワノ stainedglass moineau」で投稿を行うステンドグラス作家・小林亜希子さん。

お客さんの家の建具にはまっていた想い出の昭和の窓ガラスや、自らコレクションした昭和ガラスから、ステンドグラスのランプを作っているという。

ステンドグラスの制作は25年ほど趣味として続けていたが、昭和のレトロガラスを使い始めたのは約5年前。プロの作家になってからだった。

「ステンドグラス モワノstainedglass moineau」(@s_moineau)さんの投稿より

小林さんがステンドグラス作家としての活動を始めたのは、19年11月。長野県下諏訪のしごと創生拠点施設「ホシスメバ」に工房を構えた。

そこで「昭和ガラス」(昭和時代に製造された建材用板ガラス)に出会い、「そうだ、このガラスたちでランプを作ろう!」と決意したという。

昭和ガラスには、柄の豊富さ、モチーフの面白さ、繊細さ、はかなさ、優しさがある。ほとんどのガラスには色がなく、半透明もしくは透明なので、どんな空間にも馴染みやすい、調和してくれると考えた。

そして、もっと素敵なのは、ひとつひとつの昭和ガラスを取り巻く「想い出」があることだという。

ガラスのオーナーと直接お話ができる機会も増え、その人にとってのかけがえのない大切なエピソードを聞かせてもらいながら、思い出のシーンを頭の中で想像することもある。

「工房に戻り、ガラス1枚1枚を洗浄し、オーナーさんの名前をラベリングして工房の棚に収めていくのだが、その行為はまるで想い出をストックしているかのようです」と、小林さんは語る。

「私にとってステンドグラスは『生涯の友』というか、もう生活をする一部の中に組み込まれているような存在ですね」(小林亜希子さん)

日常生活に寄り添えるステンドグラスを

昭和のレトロガラスの中でも、模様がプレスされたガラスを「型板ガラス」と呼ぶ。

1950年代から1970年代に流行したガラスで、大柄で、柄のリピートが大きく、動きのあるダイナミックな模様も多いという。

ガラスの厚さにも、2ミリ厚という薄いガラスがあり、通常のステンドグラスよりも、より繊細で、はかない表現が可能だ。またガラスに色がないため、置いた場所にも調和しやすく、馴染みやすいそうだ。

そんな型板ガラスを使う小林さんが今探しているのは、バラ、ツバメ、キクなどの柄の昭和レトロガラス。なかなか巡り合えないそうだ。

「ステンドグラス モワノ𝚜𝚝𝚊𝚒𝚗𝚎𝚍𝚐𝚕𝚊𝚜𝚜 𝚖𝚘𝚒𝚗𝚎𝚊𝚞 」(@s_moineau)さんの投稿より

小林さんの作品のコンセプトは? と尋ねると、次のように答えた。

「moineauは、フランス語で雀の意味です。日本中に当たり前のようにいる雀のように、日常生活に寄り添えるようなステンドグラスを作りたいと考えています。
作品というよりは、インテリアとして使えるものを制作しております」(小林亜希子さん)

今後の展望を聞くと、現在は展示会や期間限定の委託販売、ネット販売などが主だが、「いつか自分のお店兼工房が持てたら幸せです」と、抱負を語った。

そんなお店ができたら、ぜひ覗いてみたい......。そう思ったのは筆者だけではないだろう。

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