シブめも派手めもカッコイイ! 特別なツインターボ4WDセダン3選
くるまのニュース / 2021年10月25日 16時10分
近年、日本の自動車市場では、セダンの販売台数の低迷からラインナップの減少が続いています。一方で、1990年代には数多くのセダンが販売され、高性能なモデルも存在。そこで、特別に仕立てられたツインターボエンジンの4WDセダンを、3車種ピックアップして紹介します。
■スペシャルなツインターボ4WDセダンを振り返る
かつて、日本ではセダンがファミリーカーやパーソナルカーの定番車として、隆盛を極めていました。しかし、2000年代には急激にニーズが低下し、現在もラインナップの減少が続き、セダンの販売から撤退したメーカーもあります。
一方、1990年代まではセダンのラインナップは豊富で、さまざまなモデルが展開されていました。
とくにミドルクラス以上のセダンではターボエンジンを搭載した高性能なモデルが人気で、ラグジュアリーなモデルからハイパフォーマンスモデルまで数多く存在しました。
そこで、高性能セダンのなかから、特別に仕立てられたツインターボエンジンの4WDセダンを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」
まさに「いぶし銀」の魅力あふれる「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」
現在、ネオクラシックカー人気が世界的に続いていますが、その代表的なモデルが日産「スカイラインGT-R」シリーズです。
1989年に16年ぶりに「R32型」として復活し、1995年には正常進化を果たした「R33型」が登場。
パワートレインなど基本的なメカニズムはR32型からのキャリーオーバーでしたが、ボディサイズの拡大と、足回りやブレーキを中心に改良されました。
そして、1998年にはスカイライン誕生40周年を記念するモデルとして、「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」が発売されました。
オーテックジャパンが開発と生産をおこない、ボディは2ドアクーペのみだったスカイラインGT-Rのシャシをベースに、4ドアのボディパネルを組み合わせ、初代スカイラインGT-Rの初期モデル以来となる4ドアセダンです。
外観はスタンダードなR33型セダンと異なり、2ドアのブリスターフェンダーを4ドアで再現するため、リアドアとリアフェンダーは新たに製作。
スカイラインGT-Rの特徴的なリアスポイラーは装着されず、フロントスポイラーも2ドアよりも小型化するなど、シックなイメージのハイパフォーマンスセダンに仕上がっています。
エンジンは最高出力280馬力を発揮する2.6リッター直列6気筒DOHCツインターボの「RB26DETT型」で、5速MTのトランスミッション、「アテーサET-S」4WDシステム、サスペンション、ブレーキなどは2ドアのスカイラインGT-Rから移植されました。
内装ではインパネまわりは2ドアと同じですが、リアシートは40thアニバーサリー専用のバケットタイプになっており、乗車定員は4名となっていました。
スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリーは限定モデルではありませんでしたが、1999年をもって生産を終了。販売期間は1年ほどと短命で、今では希少なモデルです。
●三菱「ギャラン スーパーVR-4」
かなりアグレッシブな内外装に仕立てられた「ギャラン スーパーVR-4」
現在、三菱は国内ラインナップからセダンが消滅して久しいですが、かつてはコンパクトなセダンの「ランサー」と「ミラージュ セダン」があり、ミドルクラスセダンでは「ギャラン」が主力モデルとして展開されていました。
このギャランの高性能モデルで、後の「ランサーエボリューション」シリーズの礎になったのが、1987年に発売された6代目ギャランの「VR-4」です。
最高出力205馬力を発揮する2リッター直列4気筒ターボエンジンに、フルタイム4WDを組み合わせ、ハイパフォーマンスセダンとして人気となりました。
以降、VR-4はギャランのトップグレードとして代を重ね、1996年に発売された8代目では性能も大幅に向上。
最高出力280馬力を誇る2.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンが搭載され、優れた加速性能だけでなく、4WDシステムには後輪左右の駆動力を制御するアクティブ・ヨー・コントロール(AYC)を採用して、旋回性能も高められました。
そして1998年には、専用デザインのエアロパーツ、ラリーアート製スポーツマフラー、ハイグリップタイヤ、MOMO製本革巻ステアリングホイール、レカロ製バケットシートなどが装備された特別仕様車「ギャラン スーパーVR-4」が登場。
ランサーエボリューションよりもさらにアグレッシブなデザインによって、ギャランをより迫力ある見た目に変貌させていました。
一方で、スーパーVR-4のトランスミッションは5速ATのみとされ、AT用に2.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンも最高出力260馬力にデチューンされるなど、ツーリングセダンという性格でした。
●スバル「レガシィ B4 RSK Sエディション」
ファインチューニングがおこなわれた正統派の高性能セダン「レガシィ B4 RSK Sエディション」
1989年に、スバルは新時代のセダン/ステーションワゴンとして、初代「レガシィ」を発売。トップグレードにはパワフルな新開発の2リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載し、フルタイム4WDシステムを組み合わせ、大ヒットを記録しました。
その後も初代のコンセプトを受け継ぎ、1998年に3代目レガシィが登場。外観は5ナンバーサイズのボディで、フロントフェイスは大型のヘッドライトを採用してイメージが一新されました。
また、駆動方式が全車4WDとなると同時にセダンの車名は「レガシィB4」に変更され、ターボエンジン車は「RSK」、自然吸気エンジン車は「RS」のグレード構成です。
RSKには2代目から継承された2ステージツインターボの「EJ20型」が搭載され、最高出力は280馬力を発揮。
そして、モデルライフの終わり近くの2002年に、魅力的な特別仕様車の「B4 RSK Sエディション」が発売されました。
エンジンはスタンダードなRSKのままですが、フロントブレーキにレッド塗装の対向4ピストンブレーキキャリパー、15:1のクイックステアリングギヤレシオ、フロントデフにヘリカルLSD(5速MT車)、足まわりではビルシュタイン製ショックアブソーバーを採用するなど、運動性能を強化。
さらに内装ではアルミパッド付スポーツペダル、チタン調インスツルメントパネル、チタン調リングのMOMO製ステアリングホイールなどを装備し、スポーティに演出されています。
ファインチューニングが施された「B4 RSK Sエディション」はわずか半年間しか販売されず、今では希少な存在です。
※ ※ ※
現行の国産ラインナップのセダンでも少ないながら高性能なモデルがありますが、高額なモデルが中心で、かつてのような手頃な価格のモデルはほとんどありません。
セダンはSUVやミニバンと比べて室内の広さや使い勝手は劣りますが、ドライビングプレジャーの高さは秀でており、走りの良さを求めるならばセダンはベターなクルマです。
しかし、選択肢が限られている状況では、なかなか手が出せないという人も多いのではないでしょうか。
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