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なぜ車種毎に高速「通行料金」異なる? ボディサイズだけじゃない「利用者負担」の考え方とは

くるまのニュース / 2022年6月26日 7時30分

日本全国をつなぐ物流の大動脈の高速道路(自動車専用道含む)。利用する際には決められた通行料金を支払う必要がありますが、なぜ車種毎によって大きく料金が異なっているのでしょうか。

■なんでクルマの種類によって高速道路料金が変わるの?

 長時間移動の際に利用することの多い高速道路(自動車専用道含む)ですが、利用した際には必ず通行料金を支払う必要があります。
 
 そんな通行料金は、大型車になればなるほど通行料金が高くなりますが、なぜクルマの種類によって料金が異なるのでしょうか。

 高速道路の通行料金は、クルマの種類(形状・規格・乗用・貨物タイプなど)によって料金が異なります。

 実際には「軽自動車」「普通車」「中型車」「大型車」「特大車」で分類され、以下のような内訳となっています。

————-

 ●軽自動車など
 ・軽自動車
 ・二輪自動車(側車付きを含む)

 ●普通車
 ・小型自動車(二輪自動車及び側車付き二輪自動車を除く)
 ・普通乗用自動車
 ・トレーラ(けん引軽自動車等と被けん引自動車(1車軸)との連結車両)

 ●中型車
 ・普通貨物自動車(車両総重量8t未満かつ最大積載量5t未満で3車軸以下のもの及び被けん引自動車を連結していないセミトレーラ用トラクターで2車軸のもの)

 ・マイクロバス(乗車定員11人以上29人以下で車両総重量8t未満のもの)

 ・トレーラ(けん引軽自動車等と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両及びけん引普通車と被けん引自動車(1車軸)との連結車両)

 ●大型車
 ・普通貨物自動車(車両総重量8t以上又は最大積載量5t以上で3車軸以下のもの、車両総重量25t以下(ただし、最遠軸距5.5m未満又は車長9m未満のものについては20t以下、最遠軸距5.5m以上7m未満で車長が9m以上のもの及び最遠軸距が7m以上で車長9m以上11m未満のものについては22t以下)かつ4車軸のもの及び被けん引自動車を連結していないセミトレーラ用トラクターで3車軸のもの)

 ・バス(乗車定員30人以上又は車両総重量8t以上の路線バス及び車両総重量8t以上で、乗車定員29人以下かつ車長9m未満のもの)

 ・トレーラ(けん引普通車と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両、けん引中型車と被けん引自動車(1車軸)との連結車両及びけん引大型車(2車軸)と被けん引自動車(1車軸)との連結車両)

 ●特大車
 ・普通貨物自動車(4車軸以上で、大型車に区分される普通貨物自動車以外のもの)

 ・トレーラ(けん引中型車と被けん引自動車(2車軸以上)との連結車両、けん引大型車と被けん引自動車との連結車両で車軸数の合計が4車軸以上のもの及び特大車がけん引する連結車両)
大型特殊自動車

 ・バス(乗車定員30人以上のもの、または車両総重量8t以上で車長9m以上のもの(いずれも路線バスを除く))

————-

 例えば、栃木ICから宮城仙台IC間を東北自動車道を利用して乗車した場合、通常料金で軽自動車の場合4860円、普通車で6030円、中型車で7200円、大型車で9840円、特大車で1万6200円です。

 見ての通り、軽自動車と特大車では倍以上の金額差ですが、なぜクルマの種類によってここまで高速道路の料金が異なるのでしょうか。

 NEXCO各社では、車両が道路に負荷を与える割合に応じて料金を負担する「原因者負担」、車両が道路を占める割合に応じて料金を負担する「占有者負担」、高速道路の利用により利用者が受ける便益の割合に応じて料金を負担する「受益者負担」という基本の考え方が存在します。

 NEXCO中日本の担当者は、高速道路料金について以下のように話します。

「高速道路の料金はクルマの種類によって変わりますが、クルマの区分による不公平さをなくすために、いくつかの観点から平等に高速道路の料金を設定しています。

 まず、高速道路の料金を決める基準のひとつとして、『車両が道路に与える負担の割合』があります。

 高速道路を走行することによって、どれくらいの負荷を道路に与えているかによって料金を変更しています」

 当然クルマが大きければ大きいほど重量も重くなるため、そのぶん、路面を踏み込む力も強くなり、道路に大きな負担がかかるのは、多くの人が想像できるでしょう。

 大きいクルマになるに連れて道路に負担が強くかかるぶん、料金も比例して高く設定されているということです。

 さらに前出の担当者は、ふたつめの基準として「車両が一時的に高速道路上を占める割合」が大きく関係しているといいます。

 トラックや大型車は、引っ越しのためのダンボールや工事現場での材料となるものなど、多くの荷物を積載し運ぶため、普通車と比較しても、当然ボディサイズは大きくなっています。

 例えば、いすゞの大型トラック「GIGA」のボディサイズは全長11970mm-11985mmとなっている一方で、スズキの軽自動車「ワゴンR」は全長3395mmとなり、倍以上の大きさになることがわかります。

 つまり、車両の長さや速度、および安全のために必要とする前後のスペースなど、車両が一時的でも、高速道路を空間的に占有する度合いに比較して、料金が大きく変わることになります。

 また前出の担当者は、高速道路の車種区分による料金設定について「高速道路を走行することによって得られる利益、例えば、走行経費などに応じて、その分の高速道路料金を払っていただくために、クルマの大きさが大きくなればなるほど、料金も高くなっています」と話します。

 走行経費とは、主に「燃費消費率」のことを指し、一般的に、クルマの大きさが大きくなるにつれて燃料の消費量は悪化します。

 例えば、国土交通省が2020年3月に公表した「自動車燃費一覧」によると、ワゴンR(ガソリン車)の燃費値は21.8km/Lから25.2km/L。

 一方、GIGAの燃費値は1.92km/Lから4.45km/Lとなっており、大きさに比例して燃料の消費量も多いといえます。

 どんなクルマにかかわらず、ガソリンをもっとも消費するのは発進や加速時ですが、高速道路では、基本的に停車することなく走行することができるため、無駄な燃料の消費を抑制することができます。

 これらを踏まえると、燃費の悪いクルマほど、高速道路を利用することによって得られる恩恵が大きいといえるでしょう。

 クルマの大きさが大きければ大きいほど、高速道路に与えるデメリットも大きくなり、その分高速道路の料金も高く設定されているのです。

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