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大型トラックに付いている「謎の小窓」何の意味? 実は大切な場所だった! 意外な構造とは

くるまのニュース / 2024年5月7日 9時10分

大型トラックなどをよく見ると、ドアの下部に「小窓」が付いています。これはどのような意味があるのでしょうか。

■大型トラックのドアにある小窓は何のため?

 大型トラックなどのドアには小窓が付いています。
 
 普通車を運転する人にはあまり馴染みのないものですが、一体何のために設置されているのでしょうか。

 自動車にはサイドミラーやルームミラーなど、運転の際に必要なあらゆる装置が備わっています。

 特に中・大型トラックなどをよく見ると、ドアの下部に「小窓」が付いています。

 この小窓は窓ガラスの下にあり、トラックの外側に面した窓と内側に面した窓の二重構造になっているのが一般的です。

 トラックに小窓が付いている理由に関してSNS上では「工事区域に入る際に、許可証とかを提示するための場所かな」「何かあったときに蹴破って脱出できるようにするとか?」「トラックの死角を無くすためでは」など、さまざまな意見が寄せられました。

 トラックドライバーでなければあまり馴染みのない小窓ですが、一体何のために設置されているのでしょうか。

 実はこの小窓の正式名称は「安全確認用窓」といい、運転席から左方にいる歩行者、自転車などを確認できるように設置されたものです。

 トラックドライバーなどの間では「安全窓」とも呼ばれます。

 この安全窓は道路運送車両の保安基準 第44条第5項をもとに設置されており、同条では以下のように規定しています。

「自動車には、運転者が運転者席において告示で定める障害物を確認できる鏡その他の装置を備えなければならない。

 ただし、運転者が運転者席において当該障害物を直接または後写鏡もしくは後方等確認装置により確認できる構造の自動車にあっては、この限りでない。(条文を一部抜粋)」

 大型トラックなどは運転席の位置が高く遠方はよく見えるものの、トラックの前方に近い部分やトラックのドア下部などが死角になってしまいます。

 とりわけトラックが左折する際は内輪差が大きく、トラックの左側を通行している歩行者や自転車などを巻き込むおそれがあります。

 公益社団法人全日本トラック協会が2023年9月に公表した「事業用貨物自動車の交通事故の発生状況」によると2022年中、事業用トラックが左折時に自転車と衝突する事故は431件発生しており、対自転車の事故では最も多い事故類型となっています。

 このような左折時の巻込み事故を防止するため、ドライバーは安全窓でしっかりと巻込み確認をする必要があるといえるでしょう。

■「安全窓」を塞いでいるトラックは問題ないのか?

 しかしトラックドライバーの中には、安全窓の部分にステッカーを貼り付けたり、カーテンで覆ったりする人がいます。

 加えて、助手席の床面に荷物を置いて安全窓を塞いでしまうケースも散見されます。

 これらの行為は、場合によっては保安基準に適合せず道路運送車両法違反として検挙される可能性があります。

 さらに道路交通法第55条第2項では窓ガラスにカーテンを付けるといった運転者の視野を妨げる状態での運転を禁止しているため、こちらの違反にも抵触することが想定されます。

 大型トラックなどを運転する場合は、安全窓からの視界を確保できるよう助手席まわりの荷物整理や定期的な窓の清掃などをすることが重要といえるでしょう。

ある程度大きなトラックのドアには付いている「小窓」ある程度大きなトラックのドアには付いている「小窓」

 そのほか左折巻込み事故への対策として、2022年5月から新型車として販売される車両総重量8トンを超えるトラックに「側方衝突警報装置」の装着が義務付けられています。

 この装置は左方の歩行者や自転車をレーダーなどで検知し、トラックに近づいた場合に警告灯や警報で知らせる仕組みです。

※ ※ ※

 安全窓は左方の安全確認のために設置されているものの、大型トラックなどによる左折巻込み事故は依然として発生しています。

 トラックドライバーが安全確認をすることはもちろんですが、歩行者や自転車もトラックの内輪差を理解した上で通行に注意することが大切です。

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