「高橋名人」が憧れの象徴 80年代は「シューティングゲーム巧者」がカッコよかった
マグミクス / 2024年4月8日 7時10分
■シューティングゲームの上手いヤツに魅了された「ファミコン」時代
最近は「格闘ゲーム」や「FPS」などのゲームジャンルで、プロゲーマーが目覚ましい活躍を見せています。しかし時代はさかのぼり、ファミコン時代にプレイで魅了させられたゲームジャンルといえば、純粋な「シューティングゲーム」ではないでしょうか。
そこで今回は昭和生まれのファミコンキッズが、達人たちのスーパープレイに衝撃を受けた「シューティングゲーム」の記憶を振り返ります。
●「高橋名人」のスゴ技に驚愕した『スターソルジャー』
さまざまな名作シューティングゲームがあるなか、ファミコン世代にプレイのカッコよさを知らしめたのが、ハドソンの『スターソルジャー』と高橋名人の存在ではないでしょうか。
まずこれを語る前に、同じハドソンが1985年にファミコンに移植したシューティングゲーム『スターフォース』の思い出から振り返ります。筆者は、まだ触れたことがなかったジャンルということと、当時購読していた「コロコロコミック」の連載マンガ『ファミコンロッキー』で取り上げられたこともあり、同作を購入しました。
ただ、私の周りではそれほど流行らなかったものの、世間的には「ハドソン全国キャラバン」が開催されるほどの盛り上がりをみせました。
そして、その翌年に発売された『スターソルジャー』が一大ムーブメントを巻き起こします。その中心にいたのが、ファミコン界の人気者「高橋名人」でした。『スターフォース』の頃から高橋名人の名は知られていましたが、『スターソルジャー』の大流行をきっかけに、代名詞の「16連射」とともに一般層にまで知れ渡りました。
それまで弾を撃つときは、親指でコントローラーのボタンをペチペチ押すだけでしたが、高橋名人が披露した連射方法に驚愕します。まるで鉛筆でも握るかのようなフォームで、中指の側面でボタンを連打するスタイル。そこから、とてつもない連射を繰り出し、敵機を軽々撃破していく高橋名人のプレイに見惚れました。
あれだけ心酔し、今でも懐かしさを感じる『スターソルジャー』と「高橋名人」ですが、その翌年ハドソンが発売した『ヘクター’87』については、とんと記憶がありません。
■シューティングゲームの達人による紳士的プレイ
『ツインビー』の2人同時プレイでは、横に手をつないで放つ「ファイヤー攻撃」、縦にくっついて拡散弾を放つ「スター攻撃」がアツかった 画像はファミコン版『ツインビー』(KONAMI)
●あとから気づいた! 『ツインビー』での接待プレイ
1986年にコナミが発売したファミコン版『ツインビー』は、アーケード版と同様に2人同時プレイが可能なシューティングゲームでした。
雲を撃つとパワーアップアイテムとなるベルが出現し、射撃した回数に応じてベルの色が変わり、「スピードアップ」や「バリア」など、いろんなパワーアップ効果をもたらします。
これを初めて遊んだのは近所の年上の友達の家で、基本的な遊び方を教わりながらプレイしました。2人同時に遊べるシューティングゲームは新鮮で、慣れた手つきで上手に操作する友達に憧れさえ抱きました。
一方、ゲームに不慣れな私は狙ったベルを上手く獲得できず、イライラが募ります。それを察したのか、いつしか友達がパワーアップベルをさり気なく譲ってくれるようになりました。
それも年下の私のプライドを傷つけないよう、自分のミスを装って「オレ取れない! 取って!」とベルを譲ってくれたり、自分だけパワーアップしすぎないよう足並みを揃えてくれたりと、いわゆる接待プレイをしてくれていたのです。
あとでこれに気づいたとき、「自分が上達した」と思いあがっていたことを恥ずかしく思い、改めて配慮と余裕を感じる友達のプレイぶりに感心しました。
●すべてを知り尽くした繊細かつ大胆な操作に魅せられた『グラディウス』
ファミコン版『グラディウス』(Konami)といえば、今でもそらで唱えられる「コナミコマンド」の裏技でもお馴染みのシューティングゲームです。パワーカプセルを取り、「スピードアップ」や「レーザー」、「バリア」などで自機を強化しながら進行していきます。
個人的には少々難易度が高く感じましたが、このゲームを得意とする友達は、敵の出現位置まで完全に把握していました。そして敵が画面に現れる前からあらかじめ自機であるビックバイパーを配置し、敵が現れた瞬間に撃ち落とすという神業を披露したのです。
また、それだけでなくステージの難所の安全地帯や、1UPなどの隠しボーナスの位置まで完璧に覚えており、ノーミスクリアが当たり前でした。その、あまりにも洗練されたプレイぶりに衝撃を受け、惚れ惚れしながら見守った記憶が蘇ります。
(南城与右衛門)
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