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「最終回激ヤバ」「理不尽な怖さ」 『まんが日本昔ばなし』の最恐トラウマ回

マグミクス / 2024年4月28日 18時25分

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■最終回の最恐エピソードを手掛けたのは

 1975年から1994年まで放送され、長年子供たちを楽しませてきたアニメ番組『まんが日本昔ばなし』には、定期的に震えるほど恐ろしい「トラウマ回」もありました。話の内容だけでなく、演出やBGM、語りの市原悦子さんと常田富士男さんの演技も怖かった恐怖回を振り返ります。

「十六人谷」1983年12月3日放送

 山の恐怖回として有名な「十六人谷」は、年老いた木こりの弥助が若い頃の体験を謎の女性に話す形で、物語が進行します。彼が山で「うわばみ(大蛇)」に殺されてしまった、仲間の太兵衛の通夜に行った夜のことでした。酔って家に帰ってきた弥助は、そこで謎の女に出会います。その女は、「明日、谷に行っても柳の木だけは切らないでくれ」と言ってきます。弥助はそれを断りますが、女は何度も念押しをして去っていきました。

 次の日、15人の仲間たちと一緒に山のなかの北又谷に入った弥助は、谷で見事な柳の木を見かけます。そこで昨晩の女を見た弥助は、恐ろしくなり、喜んで木を切ろうとする仲間たちを止めようとしました。しかし、彼らは弥助に取り合わず、そのまま柳を切ってしまうのです。

 その晩、みんなで山小屋で寝ていると、例の女が入ってきました。彼女は寝ている仲間たちに顔を近付け、順番に「口づけ」をします。そして、15人の木こりたちは舌を引き抜かれ、殺されてしまいました。弥助だけは持っていた山刀で女を攻撃し、その場からなんとか逃れました。

 そして、物語の終盤、年老いた弥助の話を聞いていた女があの柳の女だと判明します。弥助も舌を抜かれた状態で発見されますが、彼は不思議と恍惚とした表情で死んでいました。その後、あの柳があった谷は被害者の数にちなんで「十六人谷」と呼ばれるようになります。

 女が若者たちの舌を吸い取るときの恐ろしい音や、白い肌の口元に血が滴る姿はまさにトラウマ級の恐怖描写です。「最初のうわばみに襲われるところから全部怖い」「あまりの怖さに震え上がった。土曜の夜7時にこれだぜ」「今じゃ放送禁止だろうな」「理不尽さとトラウマ具合としてはずせない」などと、特に記憶にこびりついた人が多いエピソードとなりました。

「亡者道」1984年8月4日放送

 飛騨地方の山々が連なる乗鞍岳の麓には、千町ヶ原(せんちょうがはら)という高原がありました。そこにはいくつかの小さい沼があり、それらは「精霊田(せいれいでん)」と呼ばれています。

 昔、千町ヶ原には平十郎という男が住んでおり、彼は秋の終わり頃に猟に行くのを楽しみにしていました。平十郎は愛犬のシロと死者が山へ登っていくと言われる「亡者道」に行き、かすみ網を張ってツグミを獲っていましたが、ある1羽のツグミに左目を攻撃されてしまいます。

 その夜、手当てをして山小屋で休んでいた平十郎は、一緒に暮らすじい様の「亡者の恐ろしい叫び声が聞こえるから、亡者道で猟をしてはいけない」という言葉を思い出しますが、夢でも見たんだろうと一笑に付しました。すると、ツグミが大量に小屋に入り込んできて飛び回ります。パニックになった平十郎が外に出ると、そこには無数の火の玉が飛び交い、謎の声のようなものが聞こえてきました。

 そして、平十郎は自分が仕掛けた網に無数の火の玉がからまり、うめき声をあげているのを目撃します。さらに火の玉はドクロへ変貌し、「平十郎とろう 平十郎とろう」と言い出しました。平十郎は慌てて山を駆け下り、途中で足を滑らせ、彼は精霊田のなかに落ちました。

 そこで平十郎はじい様も昔、亡者道で猟をして片眼を失っていたことを思い出します。すると、沼のなかから亡者の手が伸びてきました。万事休すかと思われましたが、沼から顔をのぞかせたドクロたちは「平十郎は3日前、仏様の飯を食っとる。とらえることできん」と言い、それ以上襲ってきません。

 助かった平十郎は、狂ったように笑いながら家に帰ります。しかし、彼は帰りを待っていたじい様もドクロの姿に見えるようになってしまっていました。気が触れてしまったのか、平十郎はその後、山での猟をばったりとやめたそうです。

 分かりやすい怪談回で、助かったかと思いきや最後は主人公がおかしくなってしまう展開も含め、トラウマエピソードとして有名です。「手が出てくるところマジトラウマ」「じい様がドクロのまま話しかけてくる最後も怖い」「親戚の家で観た後、夜中の山にクワガタ捕りにいった。人生でも1・2を争う恐怖体験だった」と、語り継がれる恐怖回となりました。

「飯降山」1994年8月27日放送

 こちらのエピソードは、『まんが日本昔ばなし』の新作エピソードとしては最後の回となります。『ぼのぼの』『忍ペンまん丸』で知られる漫画家のいがらしみきおさんが、演出と文芸を手掛けたことでも有名です。

 現代でいう福井県のとある山のなかで、3人の尼さんが修行をしていました。空腹に耐え、キノコを食べて厳しい修行をするなか、ある時空が明るくなりおにぎりが3つ降ってきたのです。仏様からの施しかもしれないと、感謝しておにぎりを食べる尼さんたちのもとには毎日おにぎりが降ってきます。

 ある時、いちばん若い尼さんは鳥を殺して食べたと思われる焚火の跡を見付けます。彼女は、上の尼さんがおにぎりだけで足りなくなって殺生をしたのではないかと疑いを口にしました。それを聞いた最年長の尼さんともうひとりの尼さんは、おにぎりをもっと食べるためにも、手を組んで一番若い尼さんを殺してしまいます。ただ、それからおにぎりは2個しか降ってこなくなってしまうのです。

 その後、年上の尼さんがもうひとりを殺すと、おにぎりは二度と降ってこなくなりました。そして、冬が過ぎ春がやってくると、年上の尼さんがぼろぼろの姿になって山から下りてきます。

 はっきりとした描写はありませんが、他の尼さんを殺す際にお経を唱える演出や、余白の多いストーリーが脳裏にこびりついている人は多いようです。「欲望に勝てないのが怖い」「御仏の教えを自分の都合にいいように解釈して開き直るのがリアル」「冬の間何喰ってたんだろ」「他の尼さんを殺した後、残った尼さんが妙に大きなたき火をした跡が描かれてるのは何? 他のふたりを焼いて食べたのかな?」と、恐怖と考察も生んだ回となりました。

(マグミクス編集部)

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