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サザエさんは「政略結婚」だった? 誕生から75年、国民的マンガに驚きの事実も

マグミクス / 2021年2月28日 13時50分

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■実は「東京生まれ」ではなかった…?

 2021年4月で誕生から75年を迎え、アニメ化されてからも50年以上という超国民的マンガ『サザエさん』。日曜の夜はサザエさんとジャンケンをしないと終わらない……という人も多いのではないでしょうか? サザエさん一家の、ちょっととぼけた日常生活は、いつの世も私たちの心をなごませてくれます。

 そんな日本一有名な家族には、意外と知られていない事実も多いのです。たとえば、連載が始まった当初、サザエさんは独身だったってご存じですか? そして、サザエさんの結婚は、実は「政略結婚」と呼ぶべきものだった……? 今回は、意外と知らないサザエさんの世界をご紹介します。

 サザエさん一家が住む町といえば、東京都世田谷区の桜新町。「サザエさん通り」や作者・長谷川町子さんの美術館もあり、全国的にもサザエさんの町として知られています。けれども、連載開始当初、サザエさん一家が住んでいたのは福岡県でした。東京庶民の代表かと思いきや、サザエさんはまさかの博多っ子だったのです。

 というのも……作者の長谷川町子さんは、15歳の時に東京でデビューした、日本初の女性職業漫画家ですが、24歳の頃、激しくなる太平洋戦争の空襲を逃れるために福岡に疎開し、その地で『サザエさん』を生み出したのです。地方紙「夕刊フクニチ」の新聞連載マンガとして産声をあげたので、舞台は福岡だったというわけです。

『サザエさん』の登場人物の名前がすべて海に縁があるのも、福岡の百道海岸を散歩しながら構想を練ったからなのだそうです。

 ただし長谷川さんは当初、福岡ではなく長野県に疎開する予定だったそうで、もし長野に移っていたなら、サザエさん一家は山系の名前になっていたかもしれませんね。サザエさんはナメコさん、マスオさんはノビルさん、イガグリくんにアケビちゃんにエノキちゃんなど……想像がふくらみます。

■作者の都合で「結婚」させられた…?

2020年に長谷川町子生誕100年を記念して復刊されたオリジナル版「漫画サザエさん第一巻」(朝日新聞出版)

 今ではそそっかしくて陽気な主婦代表のサザエさんですが、福岡時代は独身で、なんと出版社に勤めていました。婦人警官の体験取材や作家の原稿とりなどの仕事をしていたバリバリの“働く女性”。ただしキャラのそそっかしさは今と同じで、初回の登場でも、家族があらたまって読者に挨拶しているところへ、お菓子を食べながら出てきて怒られていました。独身ですからもちろん名前は「磯野サザエ」。現在の「フグ田サザエ」は結婚してからの名前です。

 結婚といえば、サザエさんの結婚にはどうも「政略結婚」のニオイが……。実は作者の長谷川さんは、福岡で半年ほど『サザエさん』を連載した後、大きな出版社からの仕事依頼を受けて、東京に戻ることになりました。そこで(一時休載を挟んだのち)「夕刊フクニチ」の連載を終わらせるために、サザエさんを突然お嫁に行かせてしまったのです。

 終わらせるための結婚ですから、相手の紹介もなく、黒引き振袖に角隠し姿のサザエさんが車に乗っていってしまう……というお話で、まさにこれは、作者による政略結婚といえるでしょう。

 しかし、ここからがサザエさんの本当のスタートだったのかもしれません。地元福岡でのサザエさん人気はすさまじく、読者から復活の要望が絶えなかったため、およそ9か月後に再び「夕刊フクニチ」にて連載が再開され、後には「朝日新聞」の連載マンガとして全国区の人気者となったのです。設定上でも、マスオさんと結婚して子どものタラちゃんをもうけたサザエさんは、東京のひとつ屋根の下に3世代でワイワイと暮らす賑やか家族となりました。

 そそっかしくて陽気なサザエさんとその一家が巻き起こす日々の騒動は、終戦から日が浅く日本がまだまだ貧しかった時代に、“笑い”を届けてくれた、数少ない娯楽のひとつだったといいます。だからこそ、その後長く、令和の現在まで愛される作品になったのでしょうね。

(古屋啓子)

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