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高電圧/高電流アプリで注目、IGBTを活用する際に知っておくべきこと

マイナビニュース / 2024年5月1日 6時30分

画像提供:マイナビニュース

最近の半導体業界では、シリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などの新しいワイドバンドギャップ(WBG)材料を使用したデバイスに関するニュース報道や議論が多くなっています。このように注目されると、ほんの数年前まで、多くのアプリケーションで好まれていたソリューションが絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)であったことを忘れがちです。

IGBTを使用した中・大電力アプリケーションは、デバイス自体がそうであるように今も存在しています。この記事では、IGBTの詳細を説明し、IGBTに適した既存のトポロジと新しいトポロジについて考察します。
IGBTの物理的構造

IGBTは、4層の半導体材料(P-N-P-N)が交互に積層された半導体トランジスタまたは半導体スイッチです。このデバイスは、ゲートに適切な電圧が印加されると電流を流すことができます。この電圧を取り除くと導通が停止します。

IGBTは誕生以来、特にスイッチング損失の改善と構造の薄型化に関して進歩を遂げ、改良されてきました。今日、IGBTはデバイス内の寄生NPN特性を抑制する手段として、トレンチゲートとフィールドストップ構造を組み合わせることが多くなっています。これが実現すると、導通損失と飽和電圧が低下し、電力密度の向上などの利点がもたらされます。

IGBTの使用例と手法

IGBTは家庭用電化製品だけでなく、ソーラーインバータ、エネルギー貯蔵システム、無停電電源装置(UPS)、モータドライブ、EV充電器、産業用溶接など、幅広いアプリケーションで使用されています。多くの場合、トポロジは特定のアプリケーションのニーズを満たすために明確に選択されるため、一般的なアプリケーションをいくつか比較してみます。
産業用溶接

高品質な溶接が必要な場合は、溶接工程を高い精度で制御する必要があります。このため、DC出力電流で必要な精度を実現できるので、一般的な溶接トランスではなくインバータを使用するのが普通です。

また、一般的にはDC電流の方が安全だと考えられているため、安全面での配慮もあります。ユーザーの観点から言えば、インバータはトランスよりも小型・軽量なので、溶接機はよりポータブルになり便利に使えます。

一般的な溶接機では、単相または三相のAC主電源を整流してDCバス電圧を作ります。整流器は、コントロールユニットに必要な電圧を生成する小型コンバータにも電力を供給します。DCバス電圧は通常、公称出力電圧が約30VDCのインバータに電力を供給します。しかし、使用中には、負荷が開放された状態ではこの電圧が2倍になり、溶接アークが発生するとほぼ0Vに低下します(事実上の短絡)。

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