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科博所有の「YS-11」と「ペンシルロケット」が航空宇宙技術遺産に認定

マイナビニュース / 2024年5月1日 17時53分

画像提供:マイナビニュース

国立科学博物館(科博)は4月26日、同館が所有する、純国産の民間輸送機「YS-11」と、純国産の固体ロケット開発の礎となった実験機「ペンシルロケット」が、日本航空宇宙学会から4月19日付けで「航空宇宙技術遺産」として認定されたことを発表した。

航空宇宙技術遺産とは、日本航空宇宙学会が、今後の航空宇宙技術の発展に寄与することを目的とし、日本の航空宇宙技術発展史上の画期的な製品や技術などに対して顕彰して後世まで伝えるべく認定するもの。2023年に小惑星探査機の初代「はやぶさ」による世界初の小惑星サンプルリターン技術など、第1号となる6件が認定され、今回が第2号となる。

日本は、かつて世界屈指の航空機大国とも言われていたが、先の大戦を経て航空に関する一切の活動を禁じられ、多くの航空機の実機や技術、データなどが破棄されてしまった。しかし敗戦から7年後の1952(昭和27)年にそれが解除され、国を挙げて純国産航空機の開発が行われることとなった。YS-11は、まさに国家プロジェクト的に開発された純国産の民間輸送機だったのである。

1957年に設置された輸送機設計研究協会が基礎設計を担当。その後、日本航空機製造(解散)が基本設計、詳細設計等開発を進め、生産は三菱重工など、日本の航空機製造会社が総出であたったという。試作1号機が1962(昭和37)年8月30日に初飛行し、1964年8月運輸省(現・国土交通省)の航空局の型式証明を取得。試作2機を含め、最終的に合計182機が生産され、海外でも長らく活躍した。

科博が所有する機体(機体番号JA8610)は量産初号機であり、現存するYS-11の中では、試作機を除いた最古の機体となる。1965(昭和40)年3月に運輸省航空局に納入された後、日本の飛行安全確認の点検機として利用され、2万時間超の飛行実績を有している。

この機体は、長らく羽田空港内の全日本空輸(ANA)の格納庫内に保管されていたが、2020年にクラウドファンディングによる支援を得て、茨城県筑西市にあるテーマパーク「ザ・ヒロサワ・シティ」へ移設され、機体が組み立てられた。同テーマパーク内の一施設として2021年3月にオープンした科博廣澤航空博物館において、2024年2月11日より一般公開が行われている。

なおYS-11は、2007年には日本機械学会による「機械遺産」に、翌2008年には日本航空協会による「重要航空遺産」に認定されており、今回で3つ目の認定となった。

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